マスターデュエル VFD海皇解説

はじめに 

 突然ですが皆様マスターデュエル楽しんでいますでしょうか。この記事があがる頃にはデュエリストカップも終わりひと段落したところくらいでしょうか。今回の記事では私がマスターデュエルで愛用している【海皇】というデッキについて解説したいと思います。ocgでも愛用していたのですが先の制限改訂でハリファイバーが禁止になりデッキが崩壊しマスターデュエルが海皇を回せる最後の環境になりました。マスターデュエルでもいつハリファイバーが禁止になってもおかしくないため解説ができる最後の機会だと思って筆をとりました。

 
 恐らく海皇と聞いてどういうゲームプランなのか、どういう展開なのかピンとくる方は少なくと思います。それもそのはずここで大手攻略サイトのtier表【マスターデュエル】環境最強デッキTierランキング【8/18更新】 | AppMediaを見てみましょう。どのサイトを見ても海皇の文字はありません。誰も使ってないマイナーテーマです。今回の記事ではそんなマイナーテーマでも実は強い、ダイヤ1も達成可能なんだと紹介するための記事です。本当は展開パターンだけ載せて終了としたかったのですが恐らく海皇のカードは誰も知らないためデッキ解説とカード解説も載せたいと思います。
 
構築
 これがseason7とseason8でダイヤ1を達成した時のデッキリストです。このデッキは深海のディーヴァ1枚からのハリラドンで2ハンデスVFDを目指す構築になっています。構築のポイントとしてはデッキ枚数を40枚にしていることでしょうか。天威勇者や3軸勇者など同じハリラドンデッキでは41枚〜43枚など引きたくないパーツを引かないためにデッキを膨らませる場合が散見されます。今回の海皇の場合は最強の1枚初動であるディーヴァを有しておりそれを全力で引きたいこと、素引きしてはいけないカードが彩宝龍の1枚だけであることから40枚が理想だと考えています。(展開パターンでも紹介しますがオライオンやブラックガーデンの素引きはむしろ展開が伸びます)また初動札よりも優先して引きたいカードがあります。それが墓穴の指名者と抹殺の指名者です。ディーヴァはハリラドンになる展開札と代替可能ですが指名者は代わりになるカードがありません。手札誘発(特に増殖するG)に致命的に弱いデッキのためこれらを引けない場合はゲームになりません。海皇は誘発貫通力MAXだと紹介する悪のyoutuberもいますが手数も少なくグリフォンライダーもありません。天威勇者や魔救と比べると誘発貫通力は足元にも及びません。
 
採用カード解説
 
深海のディーヴァ
 
 召喚成功時にデッキからレベル3以下の海竜を特殊召喚できます。(初心者に優しい記事を目指しているのでテキストを読み上げています。)海皇デッキ最強の初動です。ハリラドン展開にピーピングとムーラングレイスの2ハンデスを追加できます。今回のリストではVFDのプランを採用していますが構築次第では5ハンデスや超雷付の2ハンデス3妨害なども狙えます。1枚から作れる妨害数としては数ある遊戯王カードの中でもトップクラスです。故にヴェーラーやうららなどあらゆる手札誘発を踏んでしまうのが海皇の永遠の課題です。
 
海皇子ネプトアビス
 
 ディーヴァからのリクルート先であり海皇最強のパワーカードです。竜騎隊をコストにすることで単純な2アドカードになるだけでなくこれ自体が1枚でハリファイバーを作れる1枚初動でもあります。またネプト初動の場合ヴェーラー泡影を踏まず相手の手札を確認できるハリファイバーのため1枚初動の中でもかなり強い部類になります。
 またコストを重装兵にすることでスキルドレインなどの永続罠を1枚で突破できる点もディーヴァ初動にはない利点です。コストになった時の効果も強力で重ね引きでも展開が伸びるため文句無しの3枚採用です。
 
海皇の竜騎隊
 
 海皇の過労死枠です。コストになる場合は大体このカードになります。具体的にはデッキコスト(ネプトアビス)、手札コスト(ミンストレル、瑚之龍、アーケティス)、エクシーズ素材のコスト(バハムートシャーク)です。素引きも強く3枚使う展開ルートもあるので絶対3枚です。
 
深海のミンストレル
 
 海皇の差別化ポイントその1です。ディーヴァの前のうららケアやディーヴァの後のニビルケアなど各種誘発をケアしての展開を可能としています。また手札を見れるという情報アドも重要で展開パターンを変えられる他VFDのタイミングや属性を自由に決められるなどのメリットもあります。
しかし過信は禁物で増殖するGやアトラクターなどケアできない誘発もある他うららの2枚引きなどケアできない場合も存在します。またスタンバイにロンギヌスを撃たれたり相手の手札が0枚の時は発動自体ができず竜騎隊を捨てることができない点も注意です。(チェーンしてロンギヌスを撃たれた場合除外はできませんが相手の手札を確認する処理までは行います。)
これ自体がチューナーでありハリファイバーになれることや竜騎ミンストレルが最強初動であるため3枚フル採用です。
 
海皇の重装兵
 
 ネプトアビスの効果の発動のためにはデッキ内に2枚以上海皇が残っている必要があるため竜騎隊だけの採用だと発動できない可能性があるため4枚目の海皇としての採用です。デッキ内にあることでネプトアビスが永続や前盤面の妨害を踏みに行けるなど後手の動きが柔軟になります。素引きの場合でも召喚権追加の効果が強力でディーヴァがうららを撃たれた場合でもハリファイバーを作れたりミンストレルと無理矢理ハリファイバーになれたりと無駄がありません。重装重装だと何も作れないため今回は1枚のみの採用ですが2枚目を採用するのも全然ありだと思います。
 
彩宝龍
 
 ほぼ唯一の特殊召喚できる海竜族です。チューナーであるためネプトアビスのコストになった竜騎隊でサーチすることでハリファイバーになれます。特殊召喚効果はサーチだけでなく通常ドローやチェーン2以降のドローでも発動できますが初手にある場合のみ発動できません。そのためこのデッキ唯一の素引きしてはいけないカードになっています。ネプトがあるのに展開できない歯痒さを覚えた海皇使いは私だけではないはずです。保険をかけて2枚にしたい所ですがゲーム中使うのは1枚であるため割り切って1枚のみの採用です。
 
氷霊神ムーラングレイス
 
 海皇の差別化ポイントその2です。強力なランダム2ハンデスを使えるデッキは海皇くらいです。捲り札自体を落としたり、一滴があってもコストが足りないという事態に陥らせたりと先行の2ハンデスは2妨害とカウントしていいレベルだと思います。
 注意点としては場を離れた際強制的に次のターンのバトルフェイズがスキップされてしまうデメリット効果です。エクシーズ素材にすれば回避できるのですが今回の構築だとランク8が入っていないためこのバトルフェイズスキップはよく起こります。スキップされている状態だとバトルフェイズを選んだ時点でメイン2に入らずそのままエンドフェイズになってしまうためメイン1の内に行動は終わらせておきましょう。またバトルフェイズスキップは「次の」ではなく「次のターン」のバトルフェイズであるため自分のターンのメイン1に離れてもそのターンのバトルフェイズは行うことができます。ムーランを素材にしてバロネスやハリファイバーを作ってワンキルしに行くタイミングは必ず発生するので覚えておきましょう。
 またこのバトルフェイズスキップのデメリットは想像以上に重いことは意識しておくべきです。このデッキは1ターン目の出力を最大にしている一方で3ターン目以降の出力は極めて低くできることは場に残ったモンスターで攻撃するしかありません。仙仙からジェットを戻して追加の妨害を作る動きも攻撃できないと成立しないためバトルフェイズスキップは実質ターンスキップと同義です。ターンスキップと違うところはドローフェイズがあることですがこちらの展開しきった後の弱い山札から引く1枚と全く動けずハンデスされて喉から手が出るほどほしい1枚とでは1ドローのバリューが全く異なります。ミンストレルで把握していないカードがもう1枚増えてしまうのも欠点でハンデスの強みがかなり薄れてしまいます。そのため今回紹介する展開ルートでムーラングレイスを素材にするルートは全く採用していません。
 
天威龍シュターナ
 
 手数の少ない海皇の追加の展開手段として採用しています。レベル4の水属性のため簡易融合や竜騎隊とセットで引くことでバハムートシャークを作れます。この枠は元々水精鱗ディニクアビスだったのですが手札コストが重く単体運用だと貫通札になりにくいことからこちらを採用しました。重ね引きでも最低限バハムートシャークを作れるので3枚採用です。
 
ジェットシンクロン
 
 ハリラドンするための機械族チューナーです。この枠をブンボーグ001にする人がいますが絶対にジェットシンクロンにしてください。少し長くなりますが優れている点を挙げさせて頂きます。
①蘇生のタイミングを選べる点
 海皇の理想の展開をした場合ムーラングレイスを出すタイミングが必ずアウローラドンの前になり盤面が一枠が埋まってしまいます。(墓地の水属性がディーヴァ、ネプト、ミンストレル、竜騎隊、竜騎隊になりハリファイバーを素材にすると6体になってしまうため)ディーヴァ単体初動であればメインモンスターゾーンがムーラン、トークン×3、ブンボーグとなり理想の展開ができるのですがうららケアのために重装ディーヴァと動いた場合はムーラン、トークン×3、重装兵となってしまいせっかくの誘発ケアが返って展開の邪魔になってしまいます。ジェットシンクロンであればアウローラドントークンをリリースしてから蘇生できるので理想の展開が可能です。また展開ルートでも説明しますがブラックガーデンを使った展開をする際にローズトークンの数を調整するためにジェットシンクロンが必須となります。
②墓地リソースとして機能する点
 ミンストレルでニビルをケアできるのが海皇の強みではありますがハリファイバー単騎しか作れない展開もありその際にニビルがクリーンヒットしてしまいます。ニビルを投げられるタイミングは大抵アウローラドントークン生成後となります。ブンボーグ001の場合はその蘇生後にニビルに巻き込まれてしまいますがジェットシンクロンであれば蘇生できるチューナーとして次のターン以降も使うことができます。ニビルを投げられた時点で展開デッキとしては敗色濃厚ですが相手の事故やこちらの誘発の刺さり次第ではターンが返ってくることもあるので些細なメリットも無視できません。
 蘇生後のジェットシンクロンは除外されてしまいますが仙仙で墓地に戻してあげることで墓地リソースとして復活します。ジェットと仙仙でそのままバロネスを作れるため追加の妨害を構えることができます。ハリファイバー展開が通った場合墓地に仙仙、除外にジェットは必ず存在するため積極的に狙います。むしろ基本展開の延長と言ってもいいでしょう。
③手札コストが必要な点
 これはむしろデメリットとして挙げるべき点なのですが手札を捨てれることがメリットになり得ます。オライオンを2枚素引きしてしまった際に片方を捨て、もう片方は墓地効果から召喚して無理矢理展開を通すことができます。また手札のネプトを捨ててブラックガーデンで蘇生する変則的な展開も狙うことがあります。シュターナディーヴァネプトと手札にある時にディーヴァに誘発を撃たれたがハリファイバーは出せるといった状況の時に活きてきます。
 以上の3点からジェットシンクロンを優先する理由がわかっていただけると思います。
 
 幻獣機オライオン
 
 ハリラドンの要です。1枚採用でも大丈夫ですが素引きすると展開できません。今の構築ですと2枚採用の1枚引きだと展開が伸び、2枚素引きの場合でも前述のジェットのコストにしてから展開できることから2枚採用がベストだと思います。
 
 ワンフォーワン
 
 貴重な一枚初動です。召喚権が余るためネプト1枚初動よりも強い盤面を作れます。ディーヴァに誘発を撃たれた時最も強い貫通札でディーヴァが通った時とほぼ同じ展開ができます。
 
 簡易融合 簡素融合
 
 このデッキの貴重な展開札その2です。エクストラの枠を割く必要があるもののチューナーと非チューナーを選べる点は優れています。シュターナと異なり盤面を選ばないため後引き(コーラルとアーケティスのドロー)でも展開を伸ばせる点も魅力です。引いた分だけ展開が伸びる強力なカードなので合わせて3枚と厚く採っています。(本記事では出せるカードが同じのため呼称を簡易融合で統一しています。)
 
 ブラックガーデン
 
 この構築の肝です。長々とテキストが書かれていますがこのデッキでは攻撃力が800の倍数モンスターを蘇生させるカードとして使います。蘇生できるモンスターはネプト(800)、ガーデンローズメイデン(1600)、瑚之龍(2400)でありどれも蘇生させる展開ルートがあります。メイデンでのサーチがメインとなりますが素引きした際にもネプトの蘇生札として役立ちます。後手の場合でもネプトにデスフェニなどの破壊を撃たれた後ブラックガーデン→簡易融合→ネプト蘇生から展開と貫通札にもなりえます。
 基本的には蘇生札として運用することになりますが事故った際に稀に発動した状態でターンを返すことがあります。その場合は攻撃力半減とトークン生成でライフを守る札になります。ここで注目したい点は相手がモンスターを召喚してこちらのフィールドにトークンを特殊召喚した場合相手が特殊召喚した扱いになるという点です。そのため増殖するGの適用下だと相手が特殊召喚を1回する度にカードを2枚ドローできる状態になり、ニビルのカウントも進みます。攻撃力半減も相まってこの状態でワンキルを狙うのは困難となるので覚えておきたいです。ふわんだりぃずに踏ませたいところですがチェーン1ブラックガーデンの強制効果、チェーン2ふわんだりぃずの共通の任意効果となってしまい先に特殊召喚できない縛りがついてしまうためトークンを1体も出すことができません。
 
 増殖するG
 灰流うらら
エフェクトヴェーラー
原始生命態ニビル
墓穴の指名者
抹殺の指名者
無限泡影
 
 汎用カードです。抹殺の指名者のために誘発を散らしていますが無限泡影を3枚にした方が総合的なデッキパワーは上がるかと思います。苦手なミドラーシュや超雷龍、メガトンゲイルに少しでも抗うことができます。
 
 真竜皇VFD
 
 言わずと知れた最強妨害モンスターです。今回の構築の最終着地点です。展開をモンスターに寄せたデッキであればこれ1枚で封殺することができます。注意すべき点は電脳堺と異なり朱雀を構えることができないため制圧力は劣るという点です。禁じられた一滴のケアや十二獣の通常召喚からのドランシアなど裏目は多数存在します。アラメシアの儀からのドラコバックでも処理されるなど環境的には向かい風も多いです。
 しかしこのデッキの強みは相手の手札を確認してからVFDを出せる点であり相手のデッキに刺さる属性を宣言できる最大の強みがあります。また刺さりづらいデッキと判断すればVFD以外の展開もできるため差別化はできています。
 
 電脳堺狐仙仙
 
 VFDの素材となるレベル9のシンクロモンスターその1です。効果は3つとも強力でこのデッキで唯一リソース回復効果を持っておりロングゲームに対応できます。まず蘇生効果ですがVFDの素材になった後でもリソースとしてカウントできます。水属性が多いデッキなのでコストは必ず水属性ともう1枚にしてください。墓地の水属性を減らすことで出さなかったムーラングレイスが出せるようになるかもしれないので積極的に水属性は減らしましょう。
 除外から墓地に戻す効果はジェットを戻してバロネスを作れる他メイデンを戻して毎ターン瑚之龍を何度も蘇生させることができます。また珍しいところでミンストレルの効果でモンスターを除外した場合それを墓地に戻すことで完全なハンデスとして機能させることができます。
 
 飢顎竜アーケティス
 
 VFDの素材その2です。水属性のため各種海皇の効果を発動できます。瑚之龍とは異なり自分フィールドのカードも対象に取れるため無理矢理竜騎隊を捨てムーラングレイスや彩宝龍を展開できることは覚えておきましょう。
 
 フルールドバロネス
 
 先手後手共に強力な制圧モンスターです。瑚之龍で1枚、竜騎隊と瑚之龍でバロネスを作ってさらに1枚妨害を剥がすのが後手でのメインプランです。
 
 ヴァレルロードSドラゴン
 
 最も優先して出したい8シンクロです。バロネスは返しのターンの仙仙とジェットで出せるためVFDの隣にどちらか置くならサベージを優先します。打点が3000を超えるのは頼もしくVFD下でやむなく出てきた承影やガーディアンキマイラなどの耐性持ちを戦闘破壊できる点は優秀です。
 
魔救の奇跡ドラガイト
 対魔法罠デッキに出すシンクロモンスターその2です。先行展開で出す他エルドリッチなどを相手に重装ネプトと動いて重装+瑚之龍で出すパターンがあります。後手のハリファイバーの優先度は低いため墓地にリンクモンスターを必要としないこちらが優先されます。また水属性のため御前試合に引っかからず出せるのでよりエルドリッチに対して有効です。バウンス効果もデッキ内のニビル1枚が引っ掛かればワンチャン作れるため必ず発動するようにしましょう。
 
 深海姫プリマドーナ
 
 ミンストレルを使うならば必ずセットで採用したいカードです。ミンストレルで除外したカードを手札に戻すことで7シンクロから8シンクロまで伸ばすことができます。どちらにせよミンストレルで除外したカードはエンドフェイズに戻るのでニビル以外メインフェイズに戻すことに裏目はありません。うららはこれ以上デッキを触らないため刺さらず、ヴェーラーはプリマドーナを素材にしたサベージに撃たれる心配はなく、無限泡影であれば相手ターンにどうせ撃たれます。
 除外されたカードをデッキに戻す効果自分相手問わないため除外したハリファイバーを戻すことができる点は覚えておきましょう。ハリファイバーに誘発を撃たれてターンを返した場合相手ターンに出すシンクロチューナーの第一候補です。運良くターンが帰ってきた場合2周目のハリラドンができるチャンスが生まれます。またデッキから特殊召喚する効果は相手の除外ゾーンにカードが必要ですが表裏を問わないため金満で謙虚な壺のコストで除外したカードを対象とすることで相手に与えるアドバンテージを軽減できます。
 
 瑚之龍
 
 このデッキで一番多用するエクストラのモンスターです。水属性で海皇の効果を発動できる点、ドラゴン族でメイデンの蘇生に対応してる点、チューナーであり各種シンクロやハリファイバーの素材になれる点、2400打点でブラックガーデンで蘇生できる点であらゆるステータスがこのデッキに噛み合っています。先手の展開、後手の捲りの起点にもなる最重要カードです。
 
 ガーデンローズメイデン
 
 オライオンと幻獣機トークンで出せる5シンクロです。ハリラドン展開だとこの枠はボウテンコウになることが多いのですがこのカードの方がメインへの圧迫が少ないです。ブラックガーデンのサーチは墓地からでも行えるため素引きしても問題なく展開が行えます。
 
 バハムートシャーク
 餅カエル
 
 竜騎隊とシュターナ、簡易融合と合わせることで餅カエルを出しながらハリラドン展開に向かうことができます。ハリファイバーへの誘発を餅カエルで弾くことができるのが利点です。メインデッキに水族を採用していないため仙仙が場にいると餅の効果は使えない点は注意です。
 
 レアフィッシュ
 テセウスの魔棲物
 
 簡易融合と簡素融合の特殊召喚先です。レアフィッシュはバハシャの素材に、テセウスは彩宝龍とレベルと属性が同じのため展開の互換がきくようにしています。
 
 水晶機巧ハリファイバー
 幻獣機アウローラドン

  説明不要の展開系最強セットです。ラドンの2枚目とバリケイドベルグを採用する枠も展開力もないため全力で通るように祈りましょう。 

 

展開例

 

基本展開(1枚初動)

 

初動:ネプト

最終盤面:VFD(素材仙仙)、墓地に瑚之龍&メイデン

(2ドロー)

 

①ネプトで竜騎隊をコストに竜騎隊をサーチ

②竜騎隊の効果でミンストレルをサーチ

③竜騎隊をコストにミンストレル効果でピーピングハンデス

④竜騎隊の効果で彩宝龍をサーチして特殊召喚

⑤ネプトと彩宝龍でハリファイバー→効果でジェットシンクロン

⑦ハリファイバーとジェットシンクロンでアウローラドン→効果でトークン3体

トークンとアウローラドンをコストにオライオンを特殊召喚

トークンとオライオンでガーデンローズメイデン→ブラックガーデンサーチとトークン生成

⑩ブラックガーデン発動

⑪手札1枚をコストにジェットシンクロン蘇生→ローズトークン1体

⑫ジェットとメイデンで瑚之龍→ローズトークン2体目

⑬瑚之龍と幻獣機トークンでアーケティス(瑚之龍と合わせて2ドロー)→ローズトークン3体

⑭ブラックガーデンでローズトークン3体を破壊して瑚之龍を蘇生

⑮瑚之龍と幻獣機トークンで仙仙

⑯仙仙とアーケティスでVFD

 (メイデンと瑚之龍とアーケティスは必ずEXモンスターゾーンに出してください。基本ルートではメインモンスターゾーンに余裕がありますが応用ルートだと盤面に空きがなくなるので基本ルートを覚える際に癖付けてください。)

ハリファイバーからの基本展開です。ブラックガーデンがなくても同じ盤面を作ることができますが採用することでメイデンの蘇生を温存することができ何もなければVFD3000+仙仙2800+瑚之龍2400で8000以上の打点を作れるのは明確なメリットだと思います。

今回はネプトアビスを使っていますがハリファイバーさえ作れればこの展開が可能です。ネプト使用であればニビルをケアできる他ネプトにヴェーラーやうららを撃たれた際にも竜騎隊のサーチ先をミンストレルから彩宝龍に変えることでハリファイバーまで繋ぐことができます。(竜騎隊にうららを撃たれた場合はハリファイバーに行けないため注意が必要です。)また簡易融合、ミンストレル、ムーラングレイスの素引きで次のディーヴァ展開と全く同じ盤面を作ることができます。

 

 

初動:ディーヴァ

最終盤面:VFD(素材仙仙)、ムーラングレイス、墓地に瑚之龍&メイデン

(2ハンデス2ドロー)

 

①ディーヴァを召喚してネプトを特殊召喚

②ネプト効果で竜騎隊をコストにして竜騎隊サーチ

③竜騎隊の効果でミンストレルをサーチ

④竜騎隊をコストにミンストレルでピーピングハンデス

⑤竜騎隊効果でムーラングレイス

⑥ディーヴァとネプトでハリファイバー→効果でジェットシンクロン

⑦墓地水5体(ディーヴァ、ネプト、ミンストレル、竜騎隊、竜騎隊)でムーラングレイス

(これ以降のVFD展開は同じのため割愛します)

 

ディーヴァスタートだとハリラドンの基本展開にムーラングレイスを絡めることができます。ポイントとしてはミンストレルで除外するカードを相手の手札で最も弱いカードにするにすることでムーラングレイスによるハンデスの質を上げることができます。

 

初動:ディーヴァ

最終盤面:サベージ、ドラガイト(攻撃力半減)、ムーラングレイス、墓地にメイデン

(2ハンデス)

 

(ディーヴァからムーラングレイスを出すところまでは同じなので割愛)
⑧ハリファイバーとジェットシンクロンでアウローラドントークン3体
⑨アウローラドンと幻獣機トークンをコストにオライオン
⑩オライオンと幻獣機トークンでガーデンローズメイデン→ブラックガーデンサーチとトークン生成
⑪手札1枚をコストにジェットシンクロン蘇生
⑫ジェットシンクロンと幻獣機トークン2体で深海姫プリマドーナ
⑬プリマドーナ効果でミンストレルで除外したカードを手札に戻してデッキからミンストレル
⑭ブラックガーデン発動
⑮メイデンとミンストレルでドラガイト→ローズトークン1体
⑯ブラックガーデンでロードトークン1体を破壊してネプト蘇生
⑰プリマドーナとネプトでサベージ→アウローラドン装備
 
ディーヴァ1枚展開その2です。ムーラングレイスのハンデス後に残った手札がVFDの刺さりが悪いと判断した際のルート分岐です。アラメシアの儀、フュージョンデステニーなどの強力な魔法が残ってしまうとVFDだけでは捲られてしまうのでサブルートの用意は必須です。ハリラドン展開だとドラガイトの枠が虹光の宣告者の構築がよく見られますがこちらの方が守備2200で戦闘破壊されづらい点や墓地にメイデンを残してサベージを蘇生できる点など勝っている部分が多いと思います。ドラガイトがブラックガーデンで打点が半減しているとはいえ虹光よりも攻撃力が高いため返しの総攻撃力が8000を超えていることも見過ごせないメリットです。

 

初動:ディーヴァ

最終盤面:仙仙、ムーラングレイス、バロネス

(1ドロー3ハンデス)

 

(ディーヴァからムーラングレイスを出すところまでは同じなので割愛)

ミンストレルで除外するカードはハンデスしたいカードにしてください)

⑧ハリファイバーとジェットシンクロンでアウローラドントークン3体

⑨アウローラドンと幻獣機トークンをコストにオライオン
⑩オライオンと幻獣機トークンでメイデン→ブラックガーデンサーチとトークン生成
⑪手札1枚をコストにジェット蘇生
⑫ブラックガーデン発動
⑬メイデンとジェットで瑚之龍→ローズトークン1体目
⑭ブラックガーデンでローズトークン1体破壊してネプト蘇生
⑮瑚之龍とネプトで深海姫プリマドーナ
⑯プリマドーナと幻獣機トークンでバロネス→プリマドーナ効果でミンストレルで除外したカードをデッキバウンス
⑰メイデンで瑚之龍蘇生
⑱瑚之龍と幻獣機トークンで仙仙
 
ディーヴァ1枚展開その3です。ミンストレルで手札を見た際にラヴァゴーレムや一滴など対処しづらいカードを確実にハンデスしたい時に使う展開です。ラー玉やラヴァゴが積まれることが多いエルドリッチ対面で使う展開です。展開例ではエルドリッチに刺さる仙仙を優先していますがヌメロン対面で壊獣をハンデスしてネットワークに対してアーケティスを構えるといった展開もありえます。
 
応用展開(2枚初動)
 
初動:ネプト+ネプト
最終盤面:VFD(素材仙仙)、バロネス
(2ドロー)
 
(ネプトからハリラドンするところまで割愛)
トークンとアウローラドンをコストにオライオンを特殊召喚
トークンとオライオンでガーデンローズメイデン→ブラックガーデンサーチとトークン生成
⑩ブラックガーデン発動
⑪手札1枚をコストにジェットシンクロン蘇生→ローズトークン1体
⑫ジェットシンクロンとメイデンで瑚之龍→ローズトークン2体目
⑬ネプトをコストに瑚之龍でローズトークン破壊→ローズトークン−1
⑭ネプト効果で竜騎隊蘇生→ローズトークン2体目
⑮瑚之龍と幻獣機トークンでアーケティス(瑚之龍と合わせて2ドロー)→ローズトークン3体目
⑯ブラックガーデンでローズトークン3体破壊して瑚之龍蘇生
⑰瑚之龍と竜騎隊でバロネス
⑱メイデンで瑚之龍蘇生
⑲瑚之龍と幻獣機トークンで仙仙
⑳仙仙とアーケティスでVFD
 
 ローズトークンを的に瑚之龍を使って海皇の効果を起動するルートです。基本展開で余る瑚之龍を素材に展開を伸ばしています。大体の2枚展開はこの余った瑚之龍を使ってバロネスかサベージを立てると考えてもらって構いません。
 
初動:竜騎隊+簡易融合orシュターナ
最終盤面:VFD(素材仙仙)、餅カエル、墓地に瑚之龍&メイデン
(2ドロー)
①簡易融合でレアフィッシュ
②竜騎隊を召喚
③竜騎隊とレアフィッシュでバハムートシャーク
④バハムートシャークで竜騎隊をコストに餅カエルを特殊召喚
⑤竜騎隊効果で彩宝龍→効果で特殊召喚
⑥バハムートシャークと彩宝龍でハリファイバー
(VFD展開のため割愛)
 
 バハシャ餅からハリラドンするルートです。ムーランを素引きまたはもう1枚の融合でチューナーを用意できればサーチ先をムーランに変えて2ハンデスも可能です。(バハシャ、竜騎隊、テセウスor彩宝龍、シュターナorレアフィッシュ、ハリファイバーで墓地水5体)このルートの利点はバハシャに対するヴェーラー泡影であれば彩宝龍が通り、竜騎隊やハリファイバーに対するうららであれば餅で無効にできるので誘発を1枚貫通できるのがこのルートの利点です。(2枚持ちはケアできません。)また仙仙が着地したタイミングのみ餅が使えなくなるタイミングがあるため一瞬だけニビルを踏む危険性があるのも注意です。このルートの時に墓穴抹殺の両方を持っている場合は墓穴で誘発を貫通しましょう。抹殺の指名者は餅カエルに対する墓穴の指名者を無効にすることができます。
 
初動:ディーヴァ+オライオン
最終盤面:VFD(素材仙仙)、サベージ、ムーラングレイス
(2ドロー2ハンデス)
(ディーヴァからムーラングレイスを出すところまでは同じなので割愛)
⑧ハリファイバーとジェットシンクロンでアウローラドントークン3体
⑨アウローラドンと幻獣機トークンをコストにオライオン
⑩オライオンと幻獣機トークンでガーデンローズメイデン→ブラックガーデンサーチとトークン生成
⑪ブラックガーデン発動
⑫手札1枚をコストにジェットシンクロン蘇生→ローズトークン1体目
⑬ジェットシンクロンとメイデンで瑚之龍→ローズトークン2体目
⑭ブラックガーデンでローズトークン2体を破壊してメイデン蘇生
⑮オライオンの墓地効果で手札のオライオンを召喚
⑯オライオンとメイデンでプリマドーナ
⑰プリマドーナ効果でミンストレルで除外したカードを手札に戻してデッキからネプト
⑱ネプトとプリマドーナでサベージ→アウローラドン装備
⑲瑚之龍と幻獣機トークンでアーケティス→瑚之龍と合わせて2ドロー
⑳メイデンで瑚之龍蘇生
㉑瑚之龍と幻獣機トークンで仙仙
㉒仙仙とアーケティスでVFD
 
初動:ディーヴァ+ブラックガーデン
最終盤面:VFD(素材仙仙)、サベージ、ムーラングレイス
(2ハンデス2ドロー)
(ディーヴァからムーラングレイスを出すところまでは同じなので割愛)
⑧ハリファイバーとジェットシンクロンでアウローラドントークン3体
⑨ブラックガーデン発動
⑩アウローラドンと幻獣機トークンをコストにオライオン→ローズトークン1体目
⑪ローズトークン1体を破壊してネプト蘇生
⑫オライオンと幻獣機トークンでガーデンローズメイデン→ブラックガーデンを墓地から回収&トークン生成
⑬ブラックガーデン発動
⑭手札1枚をコストにジェットシンクロン蘇生→ローズトークン1体目
⑮メイデンとジェットで瑚之龍→ローズトークン2体目
⑯瑚之龍と幻獣機トークンでアーケティス(瑚之龍と合わせて2ドロー)→ローズトークン3体目
⑰ローズトークン3体破壊して瑚之龍蘇生
⑱ネプトと瑚之龍でプリマドーナ
⑲プリマドーナ効果でミンストレルで除外したカードを戻してデッキからネプト
⑳ネプトとプリマドーナでサベージ
㉑メイデンで瑚之龍蘇生
㉒瑚之龍と幻獣機トークンで仙仙
㉓仙仙とアーケティスでVFD
 
 カード解説の部分でも説明したオライオンとブラックガーデン素引きのルートです。両方ともプリマドーナ経由でサベージを作るためネプトかディーヴァスタートの時のみ展開が伸びます。ブラックガーデンを素引きした際ジェットのコストにしてしまうとローズトークンの数がズレて瑚之龍蘇生まで繋がらないのでこのルートは覚えておきましょう。
 
初動:ミンストレル+竜騎隊
最終盤面:VFD(素材仙仙)、バロネス、ムーラングレイス
(2ハンデス2ドロー)
①竜騎隊をコストにミンストレルでピーピングハンデス
②竜騎隊効果でディーヴァサーチ
③ディーヴァ召喚してネプト特殊召喚
④ネプト効果で竜騎隊をコストに竜騎隊サーチ
⑤竜騎隊でムーラングレイスサーチ
⑥ディーヴァとネプトでハリファイバー→効果でジェット特殊召喚
⑦墓地水5体(ディーヴァ、ネプト、ミンストレル、竜騎隊、竜騎隊)でムーラングレイス
⑧ハリファイバーとジェットでアウローラドントークン3体生成
⑨アウローラドンと幻獣機トークンをコストにオライオン
⑩オライオンと幻獣機トークンでメイデン→ブラックガーデンサーチとトークン生成
⑪ブラックガーデン発動
⑫手札1枚をコストにジェットシンクロン蘇生→ローズトークン1体目
⑬ジェットとメイデンで瑚之龍→ローズトークン2体目
⑭瑚之龍効果で竜騎隊をコストにローズトークン破壊→ローズトークン−1
⑮竜騎隊で彩宝龍サーチして特殊召喚→ローズトークン2体目
⑯ブラックガーデンでローズトークン2体を破壊してメイデン蘇生
⑰メイデンと彩宝龍でバロネス
⑱瑚之龍と幻獣機トークンでアーケティス→瑚之龍と合わせて2ドロー
⑲メイデンで瑚之龍蘇生
⑳瑚之龍と幻獣機トークンで仙仙
㉑仙仙とアーケティスでVFD
 
 このデッキの最強初動竜騎隊とミンストレルの2枚初動の展開です。ディーヴァの前にミンストレルが使えるため誘発1枚ならうららでもヴェーラーでもγでさえもケアできます。最終盤面はディーヴァと展開札の2枚初動と変わりませんが貫通力は段違いですので是非とも狙いたい展開です。
 
応用展開(ディーヴァ+α)
 
基本展開でディーヴァ1枚の展開を3種類紹介しましたがディーヴァを絡めた2枚の展開も4種類あるので順に紹介します。
 
初動:ディーヴァ+シュターナor簡易融合
最終盤面:VFD(素材仙仙)、バロネス、ムーラングレイス
(2ハンデス2ドロー)
 
①シュターナを特殊召喚
②ディーヴァを召喚してネプト特殊召喚
③ネプト効果で竜騎隊をコストに竜騎隊サーチ
④竜騎隊効果でミンストレルサーチ
⑤竜騎隊をコストにミンストレルでピーピングハンデス
⑥竜騎隊効果でムーラングレイスサーチ
⑦ディーヴァとネプトでハリファイバー→効果でジェット特殊召喚
⑧墓地水5体(ディーヴァ、ネプト、ミンストレル、竜騎隊、竜騎隊)でムーラングレイス
⑨ハリファイバーとジェットでアウローラドントークン3体生成
⑩アウローラドンと幻獣機トークンをコストにオライオン
⑪オライオンと幻獣機トークンでメイデン→ブラックガーデンサーチとトークン生成
⑫ブラックガーデン発動
⑬手札1枚をコストにジェット蘇生→ローズトークン1体目
⑭ジェットとメイデンで瑚之龍→ローズトークン2体目
⑮瑚之龍と幻獣機トークンでアーケティス(瑚之龍と合わせて2ドロー)→ローズトークン3体目
⑯ブラックガーデンでローズトークン3体破壊して瑚之龍蘇生
⑰瑚之龍とシュターナでバロネス
⑱メイデンで瑚之龍蘇生
⑲瑚之龍と幻獣機トークンで仙仙
⑳仙仙とアーケティスでVFD
 
 ディーヴァが絡んだ2枚展開の基本展開です。先に紹介した竜騎ミンストレルと全く同じ盤面になります。余った瑚之龍とレベル4非チューナーを混ぜるシンプルな展開なのでこちらが基本展開で竜騎ミンストレルが応用展開といえます。この展開の利点は瑚之龍とアーケティスで2ドローした際に簡易融合を引ければこの展開に持っていける点です。ディーヴァ1枚初動であっても必ずブラックガーデンを使って瑚之龍を余らせておきましょう。
 
初動:ディーヴァ+シュターナor簡易融合
最終盤面:サベージ、バロネス(攻撃力半減)、バハシャ、餅、ムーラングレイス、墓地にメイデン
 
①シュターナを特殊召喚
②ディーヴァを召喚してネプト特殊召喚
③ネプト効果で竜騎隊をコストに竜騎隊サーチ
④竜騎隊効果でミンストレルサーチ
⑤竜騎隊をコストにミンストレルでピーピングハンデス
⑥竜騎隊効果でムーラングレイスサーチ
⑦ディーヴァとネプトでハリファイバー→効果でジェット特殊召喚
⑧墓地水5体(ディーヴァ、ネプト、ミンストレル、竜騎隊、竜騎隊)でムーラングレイス
⑨ハリファイバーとジェットでアウローラドントークン3体生成
⑩アウローラドンと幻獣機トークンをコストにオライオン
⑪オライオンと幻獣機トークンでメイデン→ブラックガーデンサーチとトークン生成
⑫手札1枚をコストにジェット蘇生
⑬ジェットと幻獣機トークン2体でプリマドーナ
⑭プリマドーナ効果でミンストレルで除外したカードを戻してデッキから竜騎隊
⑮シュターナと竜騎隊でバハムートシャーク
⑯バハシャ効果で竜騎隊をコストに餅カエル
⑰竜騎隊効果で彩宝龍サーチして特殊召喚
⑱ブラックガーデン発動
⑲メイデンと彩宝龍でバロネス→ローズトークン1体目
⑳ブラックガーデンでローズトークン1体破壊してネプト蘇生
㉑プリマドーナとネプトでサベージ
 
 対魔法罠デッキ展開の2枚初動版です。2ハンデス+万能妨害3体なので非常に強固な盤面です。ラー玉や冥王結界波などをトップされない限りは返されないでしょう。デッキ内に彩宝龍と竜騎隊が残っていないとこの展開はできないためよく確認した上で狙いましょう。
 
初動:ディーヴァ+シュターナor簡易融合
最終盤面:VFD(素材仙仙)、バロネス、餅、バハシャ(攻撃力半減)
(2ドロー)
 

①シュターナを特殊召喚

②ディーヴァを召喚してネプト特殊召喚

③ネプト効果で竜騎隊をコストに竜騎隊サーチ

④竜騎隊効果でミンストレルサーチ

⑤竜騎隊をコストにミンストレルでピーピングハンデス

⑥竜騎隊効果でネプトサーチ

⑦ディーヴァとネプトでハリファイバー→効果でジェット特殊召喚

⑧ハリファイバーとジェットでアウローラドントークン3体生成

⑨アウローラドンと幻獣機トークンをコストにオライオン

⑩オライオンと幻獣機トークンでメイデン→ブラックガーデンサーチとトークン生成

⑪手札1枚をコストにジェットシンクロン蘇生

⑫ブラックガーデン発動

⑬ジェットとメイデンで瑚之龍→ローズトークン1体目

⑭瑚之龍効果でネプトをコストにローズトークン破壊→ローズトークン−1

⑮ネプトで竜騎隊蘇生→ローズトークン1体目

⑯シュターナと竜騎隊でバハシャ→ローズトークン2体目

⑰ブラックガーデンでローズトークン2体破壊してメイデン蘇生

⑱瑚之龍と幻獣機トークンでアーケティス→瑚之龍と合わせて2ドロー

⑲バハシャで竜騎隊をコストに餅カエル

⑳竜騎隊効果で彩宝龍サーチして特殊召喚

㉑メイデンと彩宝龍でバロネス

㉒メイデンで瑚之龍蘇生

㉓瑚之龍と幻獣機トークンで仙仙

㉔仙仙とアーケティスでVFD

 

ムーラングレイスを使わない展開ルートです。ハンデスの刺さらない未界域やシャドールに使用します。こういった対面は大抵VFDの刺さりが良いため妨害モンスターでサポートします。ブラックガーデン発動中にアーケティスなどのドローで彩宝龍を引いていしまうとローズトークンの数がズレてしまうためバハシャの打点を下げてでもブラックガーデン破壊後にドローをおこなっています。

 

初動:ディーヴァ+シュターナor簡易融合

最終盤面:VFD(素材仙仙)、バロネス

(2ドロー確定1ハンデス)

 

①シュターナを特殊召喚

②ディーヴァを召喚してネプト特殊召喚

③ネプト効果で竜騎隊をコストに竜騎隊サーチ

④竜騎隊効果でミンストレルサーチ

⑤竜騎隊をコストにミンストレルでピーピングハンデス

⑥竜騎隊効果で彩宝龍サーチして特殊召喚

⑦ディーヴァとシュターナでハリファイバー→効果でジェット特殊召喚
⑧ハリファイバーとジェットでアウローラドントークン3体生成
⑨アウローラドンと彩宝龍をコストにオライオン
⑩オライオンと幻獣機トークンでメイデン→ブラックガーデンサーチとトークン生成

⑪ブラックガーデン発動

⑫手札1枚をコストにジェット蘇生→ローズトークン1体目

⑬メイデンとジェットで瑚之龍→ローズトークン2体目

⑭瑚之龍と幻獣機トークンでアーケティス(瑚之龍と合わせて2ドロー)→ローズトークン3体目

⑮ブラックガーデンでローズトークン3体破壊して瑚之龍蘇生

⑯瑚之龍とネプトでプリマドーナ

⑰プリマドーナと幻獣機トークンでバロネス→プリマドーナ効果でミンストレル除外したカードをデッキバウンス

⑱メイデンで瑚之龍蘇生

⑲瑚之龍と幻獣機トークンで仙仙

⑳仙仙とアーケティスでVFD

 

ムーラングレイスを使わないルートその2です。ランダムハンデスではなく確定ハンデスで一滴やラヴァゴなどケアできないカードがあればこのルートをとります。一滴の採用率が高くVFDの刺さりが良い幻影騎士団相手などに有効です。

 
(追記)

初動:ディーヴァ+ディーヴァ

最終盤面:サベージ(ハリファイバー装備)、ドラガイト、バロネス、ムーラングレイス

(1ドロー2ハンデス

or

最終盤面:サベージ(ハリファイバー装備)、ドラガイト、ムーラングレイス、墓地にメイデン&瑚之龍

(1ドロー3ハンデス)

 

①ディーヴァ召喚効果で重装兵

②重装で増えた召喚権でディーヴァ召喚効果でネプト

③ネプト効果で竜騎隊をコストに竜騎隊をサーチ

④竜騎隊でミンストレルサーチ

⑤竜騎隊をコストにミンストレルでピーピングハンデス

⑥竜騎隊効果でムーラングレイスサーチ

⑦ディーヴァと重装兵でハリファイバー→ジェット特殊召喚

⑧ハリファイバーとジェットでアウローラドントークン3体生成

⑨アウローラドンと幻獣機トークンをコストにオライオン

⑩オライオンと幻獣機トークン2体でサベージ→ハリファイバー装備してトークン生成

⑪墓地水5体(ディーヴァ、重装兵、ミンストレル、竜騎隊、竜騎隊)でムーラングレイス

⑫ディーヴァと幻獣機トークンでメイデン→ブラックガーデンサーチ

⑬手札1枚をコストにジェット蘇生

⑭メイデンとジェットで瑚之龍

⑮ブラックガーデン発動

⑯瑚之龍とネプトでプリマドーナ→ローズトークン1体目

⑰ブラックガーデンでローズトークン1体破壊してネプト蘇生

(⑱プリマドーナ効果でミンストレルで除外したカードを戻してデッキから竜騎隊)

⑲プリマドーナとネプトでドラガイト

(㉑メイデンで墓地の瑚之龍蘇生)

(㉒瑚之龍と竜騎隊でバロネス)

 

初動:ディーヴァ+ディーヴァ

最終盤面:VFD(素材仙仙)、バロネス

(2ドロー確定1ハンデス)

 

①ディーヴァ召喚効果で重装兵

②重装で増えた召喚権でディーヴァ召喚効果でネプト

③ネプト効果で竜騎隊をコストに竜騎隊をサーチ

④竜騎隊でミンストレルサーチ

⑤竜騎隊をコストにミンストレルでピーピングハンデス

⑥竜騎隊でネプトサーチ

⑦ディーヴァと重装兵でハリファイバー→ジェット特殊召喚

⑧ハリファイバーとジェットでアウローラドントークン3体生成

⑨アウローラドンとディーヴァをコストにオライオン

⑩オライオンと幻獣機トークンでメイデン→ブラックガーデンサーチしてトークン生成

⑪ブラックガーデン発動

⑫手札1枚をコストにジェット蘇生→ローズトークン1体目

⑬ジェットとメイデンで瑚之龍→ローズトークン2体目

⑭瑚之龍と幻獣機トークンでアーケティス(瑚之龍と合わせて2ドロー)→ローズトークン3体目

⑮ブラックガーデンでローズトークン3体破壊して瑚之龍蘇生

⑯瑚之龍とネプトでプリマドーナ

⑰プリマドーナと幻獣機トークンでバロネス→プリマドーナ効果でミンストレルで除外したカードをデッキバウンス

⑱メイデンで瑚之龍蘇生

⑲瑚之龍と幻獣機トークンで仙仙

㉑仙仙とアーケティスでVFD

 

 ディーヴァ2枚を素引きした時のルートです。今回のリストでは虹光の閃光者を採用していないため基本展開から応用することができませんでした。(虹光採用の場合ムーランの2ハンデスを除外にしながらVFDバロネスです。)なのでこの展開ではムーランとVFDのどちらかしか出すことができません。ミンストレルで確認した手札によって3パターン分岐します。魔法罠デッキに対しては2ハンデス3妨害とディーヴァ1枚の時より多い妨害数を構えられます。またプリマドーナの前にサベージを出せるためニビルを手札に返しても問題ありません。VFDに行く場合は刺さる対面でしか出さないため確定ハンデスも相まって返されづらいでしょう。
 
応用展開(イレギュラーパターン)
 
初動:シュターナor簡易融合+ミンストレル+墓穴の指名者
最終盤面:VFD(素材仙仙)、ムーラングレイス、墓地にメイデン&瑚之龍
(2ドロー2ハンデス内1枚確定ハンデス)
 
①シュターナを特殊召喚
②相手がチェーンしたGを墓穴の指名者
ミンストレルを召喚
④シュターナとミンストレルでプリマドーナ
⑤プリマドーナ効果で墓穴で除外したGを戻してデッキからネプト
⑥ネプト効果で竜騎隊をコストに竜騎隊サーチ
⑦竜騎隊効果でミンストレルサーチ
⑧竜騎隊をコストにミンストレル→ハンデスしたいカードを除外
⑨竜騎隊効果でムーラングレイスサーチ
⑩墓地水5体(シュターナ、ミンストレル、ミンストレル、竜騎隊、竜騎隊)でムーラングレイス
⑪ネプトとプリマドーナでハリファイバー→プリマドーナ効果でミンストレルで除外したカードをデッキバウンス
(以外ラドンからVFD展開へ)
 
 墓穴の指名者で除外ゾーンを作って無理矢理プリマドーナの効果を発動させるルートです。相手依存にはなりますがハリファイバー単騎だった手札が確定ハンデスを含めた2ハンデスが追加されます。これに限らず墓穴の指名者とプリマドーナでネプトにアクセスできることは覚えておきましょう。
 
最大展開
 
初動:ディーヴァ、簡易融合orシュターナ、オライオン
最終盤面:VFD(素材仙仙)、バロネス、ムーラングレイス
(2ドロー3ハンデス)
 
①シュターナを特殊召喚
②ディーヴァを召喚してネプト特殊召喚
③ネプト効果で竜騎隊をコストに竜騎隊サーチ
④竜騎隊効果でミンストレルサーチ
⑤竜騎隊をコストにミンストレルでピーピングハンデス
⑥竜騎隊効果でムーラングレイスサーチ
⑦ディーヴァとネプトでハリファイバー→効果でジェット特殊召喚
⑧墓地水5体(ディーヴァ、ネプト、ミンストレル、竜騎隊、竜騎隊)でムーラングレイス
⑨ハリファイバーとジェットでアウローラドントークン3体生成
⑩アウローラドンとシュターナをコストにオライオン
⑪オライオンと幻獣機トークンでメイデン→ブラックガーデンサーチとトークン生成
⑫手札1枚をコストにジェット蘇生
⑬ブラックガーデン発動
⑭ジェットとメイデンで瑚之龍→トークン1体目
⑮瑚之龍と幻獣機トークンでアーケティス(瑚之龍と合わせて2ドロー)→ローズトークン2体目
⑯ブラックガーデンでローズトークン2体破壊してメイデン蘇生
⑰墓地のオライオン効果で手札のオライオン召喚
⑱オライオンとメイデンでプリマドーナ
⑲プリマドーナと幻獣機トークンでバロネス→プリマドーナでミンストレルで除外したカードをデッキバウンス
⑳メイデンで瑚之龍蘇生
㉑瑚之龍と幻獣機トークンで仙仙
㉒仙仙とアーケティスでVFD
 
ピーピングハンデスで一滴やラヴァゴを確実にケアした後VFDまで出すこのデッキ最大の展開です。手札の要求値が高くアウローラドンのコストに幻獣機トークン以外をリリースした後7シンクロが出せることが条件となります。今の構築だとそれを満たせるのがオライオンかワンフォーワンしかありません。ディーヴァ+簡易融合、ディーヴァ+オライオンでも十分強力な盤面を作れるので3枚揃えばこんなこともできるよ程度に頭の片隅にでも置いておいてください。
 

初動:ディーヴァ、ブラックガーデン、オライオン

最終盤面:VFD(素材仙仙)、サベージ、ムーラングレイス

(2ドロー3ハンデス)

①ディーヴァを召喚してネプトを特殊召喚

②ネプト効果で竜騎隊をコストにして竜騎隊サーチ

③竜騎隊の効果でミンストレルをサーチ

④竜騎隊をコストにミンストレルでピーピングハンデス

⑤竜騎隊効果でムーラングレイス

⑥ディーヴァとネプトでハリファイバー→効果でジェットシンクロン

⑦墓地水5体(ディーヴァ、ネプト、ミンストレル、竜騎隊、竜騎隊)でムーラングレイス

⑧ハリファイバーとジェットシンクロンでアウローラドントークン3体

⑨アウローラドンと幻獣機トークンをコストにオライオン

⑩オライオンと幻獣機トークンでガーデンローズメイデン→サーチなしでトークン生成のみ

⑪手札1枚をコストにジェット蘇生

⑫ブラックガーデン発動

⑬ジェットとメイデンで瑚之龍→ローズトークン1体目

⑭瑚之龍と幻獣機トークンでアーケティス(瑚之龍と合わせて2ドロー)→ローズトークン2体目

⑮ブラックガーデンでローズトークン2体破壊してメイデン蘇生→ブラックガーデン墓地から回収

⑯墓地のオライオン効果でオライオン召喚

⑰ブラックガーデン発動

⑱オライオンとメイデンでプリマドーナ→ローズトークン1体目

⑲ブラックガーデンでローズトークン1体破壊してネプト蘇生

⑳プリマドーナとネプトでサベージ

㉑メイデンで瑚之龍蘇生

㉒瑚之龍と幻獣機トークンで仙仙

㉓仙仙とアーケティスでVFD

 
バロネスの代わりにサベージが出る最大展開です。ポイントとしてはメイデンのサーチはシンクロ召喚に限らないためサーチ効果発動をずらすことで盤面に余裕が出てきてから展開している点です。オライオンとブラックガーデンという一見素引きしたくないカードが最大展開に絡むという面白い例です。こちらも再現性がかなり低い展開なのでおまけ程度に考えてください。
 
おわりに
 いかがだったでしょうか。ハリファイバーからのVFDはどのデッキでも行えるため最近では勇者グッドスタッフでも採用が見られます。しかし今回の展開例では海皇にしかできない展開を紹介できたかと思います。海皇展開の魅力、ブラックガーデンの強さが少しでも伝われば幸いです。
 最後に海皇を使い続ける上での心構えのようなものを伝授したいと思います。海皇を使って勝てない時はこれを思い出してみてください。
①構築を見直せ
 最初にデッキリストをあげましたがこのリストが正解だとは限りません。私自身マスターデュエルがリリースされてから調整を重ねて紆余曲折を経て辿り着いたリストで今後も改良したいとも考えています。初動を安定させるための金満で謙虚な壺やスモールワールド、後手捲り用の壊獣や一滴やライトニングストーム、追加の展開札のディニクやデストルドーなど採用の価値のあるカードは無数にあります。皆様も調整を重ねて最強のリストを完成させてください。
②展開を見直せ
 先手を取って展開が成功しても負けた時相手が強かっただけと諦めるより自分の展開をもう一度見返してみてください。ミンストレルで手札が見れる分他のデッキと比べて正解が見つけやすいはずなので紹介した展開例も見ながら最適解を見つけましょう。また上で紹介した展開例になかった展開ルートをとれば勝てていたということも大いに考えられます。というのも恥ずかしながら上の展開ルートの内半分がこの記事の執筆を始めてから思い付いたルートです。新しいルートが見つかっても何ら不思議はありません。皆様の手で最適解を見つけてみてください。
③tier表を見直せ
 もう一度最初のtier表を見直してみてください。海皇の名前はありましたか?ありませんね?海皇はtier5以下の先手上振れ運ゲデッキだと自覚してください。負けた時の要因を考えた時大体③で解決できます。
Gの止まり所がわからない→③
誘発が2枚超えられない→③
アトラクターが超えられない→③
うらら1枚すら超えられない→③
デスフェニの1妨害が超えられない→③
グリフォンの1妨害が超えられない→③
後手の時点で無理→③
そもそも事故る→③ 
これらの問題を解決できたらとっくにtier上位です。あくまでワンチャン狙いのtier下位デッキだということを忘れないでください。ハリラドンで勝ちたい良い子のみんなは大人しく天威勇者を使いましょう。最後まで読んでくださりありがとうございます。それでは良き海皇ライフを。 

ヴァイスtype0 メタゲーム考察その4

 全世界70億人のヴァイスプレイヤーの皆様こんにちは。最後の更新から2年以上経ってしまい、世界のヴァイス人口も80億人を超えてきただろうか。この2年の間にもtype0のメタゲームは常に変化し続け今回ようやく完結の目処がついたため筆を取った次第である。

 
消えていったメタデッキ達
 type0のメタゲームがアクエリアスに支配されて以降、プレイヤー達は常にアクエリアスを倒す術を模索してきた。白羽の矢が立ったのがこういったメタ能力を持ったキャラ達である。しかし手札の要求値の高さ、デッキ構築の難度、フィニッシャー不足という問題を払拭することが出来なかった。また追い討ちとなったのが新型コロナウイルスによる大規模大会の中止。メタデッキは遂に完成を見ないまま歴史に埋もれてしまったのである。
 

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最高の初動 すみれ登場
帝国華撃団総司令 すみれ
 大会が開かなくとも新しいカードの登場によりメタゲームが変化するのはTCGの常でありtype0においても同様だ。まずは能力について解説していこう。
 ストックを増やす①の能力だが既存のカードと異なる点は山札を参照するのが上1枚ではなく上2枚である点と自身が場に残る点である。前者は言うまでもなく既存の上位互換でありCX以外のカードを増やした構築であっても安定したストックブーストを行うことができる。後者は場に残る点を活かした2枚レスト型の集中を採用できる点で既存のカードに優っている。逆に既存のカードに劣っている点としてストブの条件に控え室に同特徴のキャラを必要とし最低でも2枚でなければ機能しない点が挙げられる。しかしこれは②の能力によって全く問題にならない。
 ②の能力自体はよくあるcipと自傷による墓地回収である。しかしこのカードが今までのカードと異なる点は①の能力で貯めたストックをこの回収に充てられる点であり、ひいては自身と同名カードを回収できる点である。すみれが初手に2枚(もしくは手札に1枚、控え室に1枚)あるとどうなるか。トップ2枚がCXである限り自身で自身を回収し自傷と墓地肥やしを行うループが発生するのである。そして3枚あればループの途中で落ちた集中を回収し3枚目で集中のコストを貯めてそのままアクエリアスループに持ち込むことすら可能なのである。
 
Deck.15【すみれループ】
 このすみれの登場はtype0というフォーマットをさらに上のステージに昇華させた。今までコンボパーツを引くまでドローゴーを行う悠長なゲームプランをとっていた。既存のデッキがCXを盾にゆっくりコンボパーツを集めるコントロールコンボなのに対しこの【すみれループ】は1ターン目からコンボ成立を狙うオールインコンボなのである。かといって受けが弱くなるというわけではなくコンボ以外では絶対に負けないCX密度を保っている。また墓地回収がコンボの起点となる性質上生半可な攻撃はコンボパーツを揃える手助けになる可能性があり、受け性能はむしろ向上してるといえるだろう。
 
type0の「王」の誕生
“ガレット・デ・ロワ” チノ
 すみれを史上最高の初動と称したがあくまでも2枚初動。このチノの登場はすみれの記録をすぐに塗り替えることとなった。type0待望の1枚初動の誕生である。
 改めて能力の方を見ていこう。手札から舞台に置かれた時、トップがCXなら青か同特徴のキャラを2枚手札に加えるというもの。普段ヴァイスをプレイされている方ならこの2枚サーチがどれだけぶっ壊れているかすぐに理解できるだろう。通常の構築に入るカードですら1コストと1ディスカードで同特徴のキャラを1枚サーチなのだ。ノーコスト2アドカードはあのancestral recall以上と言っても過言ではないだろう。
 しかしこのカードの強さはアドバンテージ獲得能力ではなく確定サーチの点にある。たとえサーチ前や後に2枚ディスカードがあったとしても使われていたであろう。(これはtype0が手札の数に関係なくコンボパーツさえ揃えばいいという特殊なフォーマットのためである。もちろん連打のしやすさ、ディスカードコスト回収の手間を考えればノーコストに越したことはない。)このカードの恐ろしさは同特徴のキャラだけでなく青のキャラをサーチ、つまりすみれをサーチできる範囲の広さにある。またチノ自身もサーチ範囲に含まれており、2枚目3枚目のチノをサーチして山札を圧縮し手札を増やしながらすみれをサーチしに行ける。
 また細かい強みになるがレストや生け贄を必要とせず盤面に残り続ける点も2枚レスト集中を使用する既存の構築を崩さない点で優秀である。使い切りではなく盤面でレストコストとして使用することで2アドの分を十二分に発揮することができる。またCX参照が公開ではく控え室におくなので2枚引いた際に1枚目のチェックが失敗したとしても2枚目のチェックを阻害しない(むしろ成功率が上がる)点も見逃せない強みだ。さらにループ成立後の山札調整としても優秀で山札が2枚以下なら圧殺しながら2回プレイすることでリフレッシュ後に圧殺した分の2枚をサーチして山札をCXだけに保つことができる。
 短いテキストのカードは強いという格言があるがまさにその通りでチノには語り尽くさないほどの強みがテキストに隠れている。この性能はtype0史上、いやヴァイスシュヴァルツ史上最高のカードといっても差し支えなく、まさに「王」と呼ぶにふさわしいものである。
 
Deck.16【imperial order─王の命令─】
 ついにtype0史上最強のデッキが完成した。デッキ名はチノのフレーバーテキストに由来するものでまさにtype0の「王」にふさわしい名前になっている。注目すべき点はその先行ワンキル率の高さ。軽く回しただけで実に8割の成功率を誇る。エフェクトヴェーラーもforce of willも完全防御革命も存在しない環境でこの数字は驚異的といっていいだろう。
 それではデッキ解説の方に移らせてもらう。
ガレットデロワ チノ6枚
“ガレット・デ・ロワ” チノ
 突如現れたtype0の「王」。このカードの強さは上に述べた通りだ。適正枚数は5〜6枚。先行ワンキルの失敗パターンはこのカードを初手に引けないかデッキトップがCXでないかの2パターンであり多すぎても少なすぎても失敗の可能性がある。読者の方も実際に回してみて適正枚数を探してみてほしい。
帝国華劇団総帥 すみれ3枚

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 最強の初動の座はチノに明け渡すことになったがストブの性能は未だにトップクラスのこのカード。チノが引けないパターンでもこのカード2枚でチノが落ちるまでループさせることでコンボ成立につながる可能性がある。またこのカードの採用枚数−1枚がゲーム中に貯められる最大ストック枚数となる。このデッキは2コストで回るため最低枚数の3枚の採用となっている。
 type0を代表するフィニッシャー。このカードよりも緩い条件の勝ち手段を遂に見つけることは出来なかった。緑であるが故にチノでサーチできない点は注意しよう。
納得できる役は 矢澤にこ 1枚
“納得できる役は”矢澤 にこ
 リフレッシュダメージ回避のヒール枠。この枠に関してはレベル3のストックヒールでもいいのだがレベル1からループに入れる点、素出しして集中のコストになれる点を評価しての採用となった。なおこのデッキにおけるヒール成功率は当然100%である。
welcome! チノ 1枚
Welcome! チノ
 ループに必要な集中枠。すみれの登場以降は単レスト集中を2枚採用するのではなく2枚レスト集中を1枚採用するのが主流となっている。ガレットデロワチノでサーチできる青の集中はこのカードを除けば3種類(それぞれ指定なし4枚集中、X枚集中(Xは舞台の色の数)、5枚集中(門指定))しか存在せず半ば消去法での採用である。しかし5枚集中は破格の性能であり自身の色とCXの色も噛み合うこのカードの存在はまさに奇跡の1枚といえる。
おかえりなさい 38枚
おかえりなさい
 自由枠に見えるCX枠。しかしこのカードの存在がwelcomeチノを奇跡の1枚たらしめている。色がアクエリアスと同じ「緑」でチノが指定する「おかえりなさい」であるCXはこのカード1種類しか存在しないためである。ストブでもキャントリップでもないためCXの性能としては若干落ちるがワンキルプランには関係ないこと、welcomeチノのルーティングで若干軽減できることから些細な問題としている。
 
【imperial order】プレイング解説
 それでは実際にこの最強のデッキを回してみよう。このデッキの目標はデッキ内のCX以外のカードを引き切りアクエリアスを無限に出すループを完成させることである。そのためには手札と控え室にすみれを1枚ずつ揃えた上でwelcomeチノ(以下集中チノ)の集中を成功させること、これが一先ずのゴールとなる。一度でも集中が成功すれば二度目三度目の成功は容易であり自然とコンボパーツが集まる。
 マリガンでキープするカードはガレットデロワチノ(以下王チノ)、2枚目以降のすみれ(1枚目はストブとして期待できずどちらにせよ圧殺して控え室に置くため)の2種類だけである。とにかく王チノを全力で探しに行くことがこのデッキの基本方針だ。
 1枚目の王チノのCXチェックを成功させることがコンボ成功の第一条件だ。コンボ失敗パターンのほとんどがこの1枚目の失敗か王チノ自体引けないパターンのどちらかでありtype0の対戦において最も緊張する瞬間だ。デッキトップのCXの有無で一喜一憂する実にヴァイスシュヴァルツらしさがありtype0と言えどヴァイスシュヴァルツのフォーマットであることを実感できる。王チノでサーチするのは2枚目と3枚目の王チノであり、デッキ内の王チノを引き切るまでこれを繰り返す。5枚目と6枚目ですみれ3枚と集中チノをサーチできれば山札にはにことアクエリアスしか残っていないためすみれのストブは100%成功する。これで墓地回収集中のループが完成するのでにことアクエリアスが落ちるまで集中を繰り返そう。
 CX以外のカードを全て回収しきったらいよいよ無限バーンのループの時間だ。(なおアクエリアスを出すためにはレベル1まで上げる必要があるが集中ループが完成していれば無限にリフレッシュダメージを受けることができ、すみれループで無限に自傷することも可能のため大した問題にはならない。)
 
①手札 すみれ×2 アクエリアス にこ 王チノ×3
 盤面 王チノ(レスト) 王チノ 王チノ
     すみれ(レスト) 集中チノ
 ストック0
    控え室0
②すみれを圧殺してアクエリアス
③王チノを圧殺してすみれ→ストック+1
④すみれを圧殺してにこ→ストック−1
アクエリアスを圧殺してすみれ→ストック+1
⑥にこを圧殺して王チノ
⑦王チノとすみれで集中起動→すみれ×2、アクエリアス、にこ、王チノを回収
→①に戻る
 
 今回はループ証明をわかりやすくするためにヒールとバーンを同じループ内に組み込んでいるが実際はヒールの必要がないパターンもあるため手順が異なる場合がある。また①の盤面に戻すために王チノとすみれで集中を行っているが途中でにこやアクエリアスをコストに集中を起動して山札調整をしても構わない。
 
 アクエリアスループは無限ループたりえるか
 さてここで上記の無限バーンのコンボは無限ループといえるかどうかという問題に差し掛かる。無限バーンは即ち無限ループではないのかと疑問に思う読者も多いかもしれないがここで言う無限ループとは省略可能なループかどうかという一点に尽きる。コンボ成立すれば残りの手順を省略して私の勝ちですと言えるかどうかというものだ。
 結論から言えば無限バーンではあるが省略可能な無限ループではない。確かに無限にアクエリアスをプレイできるし、無限ににこもプレイできる。しかしこのループには山札の枚数という限界がある。⑦の時点で山札の枚数が5枚以下の場合集中で回収するカードがリフレッシュで山札に返ってしまいループが途切れてしまうのである。山札の枚数を常に一定の枚数であればループを成立させることができるがマリガンで捨てたCXの枚数によってコンボパーツを引き切った後の山札の枚数が決定するため一定に保つのは困難もいえるだろう。
 そのため山札の枚数を調整する必要が生まれるのだがそこでも力を発揮するのが王チノとすみれだ。
 
5枚 すみれを圧殺しすみれ→山札−2、ストック+1→能力ですみれ回収→山札−1 クロック+1→すみれを圧殺し王チノ→山札−1→王チノを圧殺し王チノ→山札−1(リフレッシュ)→すみれと王チノをサーチ
 
4枚 すみれを圧殺しすみれ→山札−2、ストック+1→能力ですみれ回収→山札−1 クロック+1→すみれを圧殺し王チノ→山札−1(リフレッシュ)→すみれをサーチ
 
3枚 王チノを圧殺しすみれ→山札−2 →すみれを圧殺し王チノ→山札−1(リフレッシュ)→すみれと王チノをサーチ
 
2枚 王チノを圧殺し王チノ→山札−1→王チノを圧殺し王チノ→山札−1(リフレッシュ)→王チノ×2をサーチ
 
1枚 王チノを圧殺し王チノ→山札−1(リフレッシュ)→王チノをサーチ
 
 このように全てのパターンでCXだけを山札に返す完全なリフレッシュが可能である。なおこの手順は集中をプレイした後、アクエリアスをプレイする前の②の時点で行うのが望ましい。また今回のループでは都合13枚の山札消費を要することから山札が13枚以下の場合は常に山札の枚数を意識する必要があり、早めに集中を起動するなど手順が変わりうる。この山札の枚数によって手順が変わってしまうというのが無限ループにたりえない証拠でありtype0最強デッキの唯一の課題となっている。現行のルールでは50枚の制限があるため問題にならないが仮に【CX6000】が健在だった場合一体どれだけの人間が勝利までこのデッキを回し続けることができるだろうかと恐ろしい想像をしてしまう。コンボ環境において50枚上限のルールは不要かと思われてきたがプレイヤーの心を折る番外戦術に持ち込ませないために必要なルールだと改めて実感した。
 
さいごに
 type0のデッキは飛躍的な進化を遂げ今や8割の先攻ワンキル率を10割に近づけることだけが残された課題となっている。もはやメタゲームといえるものはなくなってしまい考察の意義も薄れてしまった。今回の記事もメタゲームの変化というよりもコンボデッキの発展というのがメインでメタゲームについてはあまり言及できていない。よって今回で本当の最終回とさせていただく。これまで読んでくれてありがとう。コロナが落ち着いたらWGP会場のサイドイベントでお会いしよう。それでは良きtype0ライフを!!!!!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 ここまで読んできたくれた方には申し訳ないが今回はDeck.EXを用意することはできなかった。代わりと言っては何だが文章では伝わりにくかった人向けに無限バーンの手順を画像付で見ていこう。
①初期盤面です。

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アクエリアスをプレイしてバーンを狙います。

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③すみれをプレイしてストックを確保します。

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④にこをプレイしてヒールを行います。

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⑤すみれをプレイして集中用のストックを確保します。

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⑥王チノをプレイしてにこを控え室に送ります。

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⑦集中で一気にコンボパーツを回収します。これで初期盤面に戻りましたね。

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Deck.16【imperial order─王の命令─

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ヴァイスtype0メタゲーム考察その3

  全世界70億人のヴァイスプレイヤー、そして1億人のtype0プレイヤーの諸君こんにちは。今回も大人気フォーマットtype0の考察記事だ。

 さて前回の記事で紹介した通りtype0のメタゲームを支配しているはミラーを意識したラインハルトコントロールだ。継続的なミルと相手のミルを封じる盤面支配力を有する強力なデッキだ。type0のメタゲームは終結したかに思えたがtype0といえどTCGの1つのフォーマット、新しいカードの登場でメタゲームは急激に変化する。

 

 みくるメタの登場 記憶の結晶

 

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 みくるは【みくるループ】成立以来type0環境の第一線で活躍し続けてきた優秀なカードだ。除去避け、継続的なミル、ラインハルトの条件の補助と役割は多岐に渡り、このフォーマットのために生まれてきたと言っても過言ではないカードだ。思い出置場という領域はこれまで干渉されず安全とされてきた。このカードの登場までは。

 記憶の結晶の登場によりミルの安定性が大幅に損なわれることになった。みくるの能力の後に記憶の結晶を当てられると勝ち筋となるセイバーとみくるを同時に失うことになり、ダメージレースで不利になってしまう。またみくるの能力を使用しない場合もラインハルトの的となってしまうためやはりセイバーを失うことになる。これによりミルの先撃ち不利という定石が生まれてしまい、メタゲームがまた振り出しに戻ってしまった。

 

Deck.12【魂の還元ミル】

 セイバーとみくるによるミルが封じられた以上別の勝ち筋を見つけるしかない。そこで白羽の矢が立ったのがこのウィズだ。彼女は現時点で唯一後列で発動できるミルの持ち主だ。幸い対応のCXは扉のため回復や七海との併用は問題無い。あとは継続的なミルを行うギミックを考えるだけだ。

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  使用するのは4枚のめぐみんとクロック置場にタカヤを1枚だ。それに加えウィズと魂の還元の6枚コンボとなる。手順としては魂の還元を貼ってめぐみん2枚をディスカードしてミル起動→前列のめぐみんでチャンプアタック→扉トリガーで手札コストを回収→リバース時にタカヤのアラームで回収。これを2回繰り返す。この動きの強みはたとえ相手がラインハルトであってもターンプレイヤーの優先権で手札に回収できる点だ。また優先権の無い相手ターンであってもめぐみんの移動能力でラインハルトの思い出送りから逃れることができる。(ラインハルトは単騎でしか能力を発揮できないので確実に逃げることができる。)またこのフォーマットではコンボパーツさえ引き切れば確実にキャンセルでき相手ターンまでアラームを維持できる。たとえチャンプアタックの対象がなくても返しのターンに回収が可能だ。

 だがこのデッキはコンボパーツの多さ、アラームという不安定さ、除去耐性の薄さなど欠点を挙げればキリがなく未完成と言わざるを得ない。特にコンボパーツの多さは致命的で7枚を引かなければミル自体始動することすらできない遅さ、メタカードを採用しづらい構築の幅の狭さは今までのデッキと比べて大きく劣っている点だ。コンセプトとしては唯一ではあるがメタゲームに食い込むことは無理だろう。

 

Deck.13【エクゾディアアクエリアス

 ヴァイスtype0はフォーマット成立以来、ミルに支配され続けてきた。前環境で猛威を振るい続けた【ラインハルトコントロール】もミルの延長線上である。勝ちに行くプレイであるミルも、あくまで相手の勝ち筋を潰していく戦術であり、「負けないこと」を前提として始まった【CX6000】の時代から変わらないtype0の伝統だ。

 みくるに対するメタが生まれ膠着したメタゲームを打破するためにはミル以外の別のアプローチが必要だった。別のアプローチとは即ち銀枠の【エクゾディアジブリール】ような即死コンボだ。膠着したメタゲームを打破するためには既存のカードのみで成立する「エクゾディア」が必要だった。

 

 さて前置きが長くなってしまったがこれが新しいエクゾディアの全容だ。

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手順を説明しよう。

前提として相手の控え室に通常札(CX以外のカード)があり、自分の山札は全てCXとする。またループの証明の簡略化のため盤面に虚無のルイズAがいるものとする。

 

①ルイズAを圧殺し書き初め千歌をプレイ。確定でCXが落ちるので相手の控え室の通常札をデッキトップへ

②千歌を圧殺しアクエリアスをプレイ。相手に確定ダメージ、自分は確定キャンセル

③千歌を圧殺しマリエールをプレイ。確定でCXが落ちるのでストックへ。

④虚無のルイズBをプレイしマリエールをコストに集中起動。CXが2枚落ちるのでルイズA、千歌、アクエリアス、マリエールを回収。

⑤ルイズBを圧殺し執事助手エクレアをプレイ。相手のクロックの通常札を控え室へ。

⑥マリエールをプレイしストックへ。

⑦ルイズAをプレイし起動。ルイズB、エクレア、マリエールを回収。

→①へ戻る。(⑦の手順で回収するカードが1枚余裕があるので実際のプレイ時は1ループごとに千歌、アクエリアス、エクレアを順に挟むことができる。)

 

これが無限ダメージループの全容である。相手のデッキに1枚でも通常札が残っていれば確殺が可能である。説明では控え室に通常札が落ちているところからスタートしたが実際のプレイではあまり起きない状況である。(ミル環境からの定石で通常札を控え室に晒すのは悪手とされている。)しかしループ自体はアクエリアスだけでも成立するのでダメージで通常札が出るまでアクエリアスをプレイすることで上記のループと同じ状況を作り出すことができるのである。

 またこのループの強みはルイズ2枚とマリエール1枚からでもコンボスタートできる速さも強みだ。ルイズの集中でキャラ2枚の捲り方をするかマリエールでキャラが落ちない限りループが途切れない。集中でキャラCXという捲り方をすればパーツを集めながらデッキを掘り進めることができる。またアクエリアスのレベル1という欠点も無限にリフレッシュダメージを受けて先上がりすることで問題とならない。理論上先行ワンキルも可能な強力なデッキに仕上がっている。

 また相手のデッキの通常札の残りが1枚であった場合、レベルアップ時にレベル置場に逃がされた場合打点を作れない問題が発生する。それはクロック6まで確定ダメージで通し残りの1点をリフレッシュダメージで通すという方法でケアできる。アクエリアスだけのループでも無限にリフレッシュさせることが可能のためエクレアの能力でクロックに通常札を置かせなければCXだけでレベルアップさせることが可能である。

 無限にリフレッシュダメージを与えることができるということは確定ダメージのギミックは必要ないように思えるが、無限にリフレッシュさせるということはループする側も無限にリフレッシュするということを忘れてはならない。1ループでの山札の消費はルイズで2枚×2、アクエリアスで1枚、マリエールで2枚の7枚、相手の山札の消費はアクエリアスとエクレアの2枚だ。単純計算で山札7周する度に相手の山札を2周させられるということになる。エクレアと千歌を合わせることで9枚のループで1点出せるため54枚=約1周(1周を50−コンボパーツ6枚の44枚で仮定)で6点出せるのは破格と言わざるを得ない。自分1-0相手0-0スタートと仮定すると確定ダメージで24点、リフレッシュダメージで4点必要となる。こちらが受けるリフレッシュダメージを上記の式で当てはめると9×24=216枚=約5周、7:2=14:4=14周の計19点。1-0でコンボスタートできれば3-5でフィニッシュすることができる。

 

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そしてこれがエクゾディアアクエリアスデッキリストだ。採用CXは3種類と散らしてある。それぞれの採用理由を簡単に説明しよう。

 

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キャントリップ…最も多く打つことになるCX。通常ドローとクロックドローと合わせて毎ターン4枚のドローを可能にしコンボパーツを揃えるのを助ける。単純計算で10ターンで山札を引ききることが可能のため遅くとも11ターン目にはコンボをしかけることができる。キャントリップを採用できないデッキに対しては山札を掘るスピードだけで優位に立っているといえる。

 

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控えストブ…集中をループ完成前のパーツ集めとして起動する際に使用。またルイズとマリエールでループを開始した際マリエールでキャラが落ちてしまった時の保険にもなる。現在のメタゲームでは後列除去が存在しないためルイズを引くまではキャントリップ、引いてからはストブと打ち分けてパーツを集めていっていいだろう。

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ブリリアントパーク…相手にアグロプランをとられコンボパーツが控え室に落ちてしまった際に使用。単純にコンボ完成が早まるだけでなくミルのケアにもなる。このカードの存在のおかげでキャンセルによるコンボパーツの落下とミルを同一ターンに行う必要性が生まれた。地味ながら本アーキタイプの強化に貢献した優秀なCXだ。

 

Deck.14【エクゾディアアクエリアス(改)】

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 エクゾディアアクエリアスを研究するにあたりある問題が浮き彫りになる。【CX6000】に勝てないという問題だ。正確にはデッキ枚数の規制により50枚なのだがこのCXだけのデッキに打点を通す術が無いのである。またCXだけのデッキに限らずどんなデッキでも通常札を引ききられてしまった場合、同様の状態に陥る。コンボパーツ6枚引き切りが前提のコンボのため通常札6枚未満のデッキであれば高い確率で起こり得る。

 【CX6000】に勝つためにはどうするか。その答えは歴史が証明している。無限回復ギミックを積むだけである。回復カードとして使用するのは実質コスト1でプレイできる葉留佳だ。既存のループで無限にリフレッシュしレベル3まで上げた後、マリエールを2枚プレイ。葉留佳をプレイしキャラ(主にアクエリアス)をコストに回復を行えばその後の集中で全てのコストを回収できる。

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 【エクゾディアアクエリアス(改)】の強みは例え相手のデッキがCXだけだとしても貫通できる点だ。以前有効だったコンボ完成前に通常札を引き切るという対策をとることができない。また1-0でコンボスタートしなければ勝ちきれなかった以前に比べ自分のクロックを気にせずにクロックドローが可能になった点も強化といえるだろう。さらに回復ギミックを組み込んだことにより山札の消費枚数を気にしなくて済むようになったため虚無のルイズの枠を4枚集中である如月影二に変更している。この変更により序盤のパーツの集めやすさが大幅に向上したことも見逃せないメリットだ。

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※ルール改定に対する謝罪

 

【エクゾディアアクエリアス(改)】の成立をもってtype0総合ルールに以外の項目を追加する。

 

5.デッキの下限枚数を50枚とする。

 

  アクエリアス環境における最大の対策が相手より先にコンボパーツを揃えることになってしまい、何が起こったか。【エクゾディアアクエリアス(改)】は今や早期コンボ完成とためにデッキ枚数を削る段階に来ている。リフレッシュの回数を気にする必要がなくなったため山札の枚数が少ないことがデメリットにならないためである。これは銀枠環境の【エクゾディアジブリール】や【エムラシュート】といったデッキと同じ現象だ。 

 コンボデッキは極限までデッキ枚数を絞れる一方でミルデッキはコンセプト上デッキ枚数を削ることができない。20枚のコンボデッキより先に50枚のミルデッキがミルパーツを引き切ることは不可能に近くアンフェアなゲームと言わざるを得ない。銀枠というジョークカードの範囲であれば許容していた部分もあったがtype0の競技性を守るためにルール改定の必要があると我々は判断した。主に銀枠環境でプレイしてくれているtype0プレイヤーの方々には深く謝罪したい。しかしワンキル特化ではなくなったことにより構築と環境の幅が広がり競技性は格段に増したといえるだろう。

 

総括とあとがき

 アクエリアスの登場はtype0のメタゲームを別次元のものへと昇華させた。控え室のカード1枚をめぐる攻防から一転ワンキルコンボを揃えるかどうかの勝負へとなってしまった。コンボに対してコンボをぶつけるという構図になってしまいメタゲームが正しく機能しているとは言い難い。現在のカードプールではこれに対抗する術がないため名残惜しいが今回の記事でtype0メタゲーム考察は最終回とさせて頂く。

 type0を終わらせたのは意外にも黎明期から存在していたカード達だった。我々が他のデッキを考察している間にもtype0のメタゲームは完成していたのかもしれない。では今までのデッキ達は無駄だったのか、私はそうは思わない。type0の考察は思考実験だ。その魅力と面白さは結果ではなくどうやって勝つかを考える過程にある。たとえ最適解でなくともそれを見つけるまでに生まれた数々のデッキは我々にとってかけがえのない財産だ。type0をプレイしない層に向けてこれらのデッキを紹介できたことを光栄に思う。今回で最終回だがメタゲームが動き【エクゾディアアクエリアス(改)】が過去のデッキとなることも大いにあり得る。なぜなら諸君らが知っての通りヴァイスシュヴァルツの可能性は無限大なのだから。それではまたの記事で会えることを祈っている。良きtype0ライフを!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Deck.EX3【A.E.D(Aquarius Endless Deck)】

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 アクエリアスの影響は銀枠環境にも及んでいる。総合ルールの改定で【エクゾディアジブリール】と【エムラシュート】が弱体化した現在銀枠環境のメタゲームに食い込むことに成功している。その要因がデッキ名にもなっているAEDだ。

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 CXの枠でありながらノーコストかつインスタントタイミングでレベル置き場1枚分という脅威の回復量を誇るパワーカードだ。これを回復の枠に採用することで通常札のコンボパーツを5枚まで減らすことに成功している。このようなパワーカードが今まで日の目を見なかった理由は環境にそぐわなかったというただ1点だ。ジブリールに対しては50点貫通で死ぬため打つ暇がなく、エムラクールに対してはターンを奪われた時に空打ちされて負け筋になるためである。

 

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 デッキの動き自体は既存のループに神通改二を加えただけで単純だ。アクエリアスループでリフレッシュダメージを重ねた後AEDで回復、そのリフレッシュ後に神通改二でAEDをサーチしアクエリアスをディスカード、影二でコスト分を回収。リフレッシュダメージでAEDが落ち続けない限りループが成立する。

AEDを複数枚積めばケアできると考える人もいると思うがAEDの永続効果で「このカードと同じカード名のカードはデッキに1枚しか入れることができない。」という縛りが存在する。type0であれば枚数を無視できるという意見もあるがtype0総合ルール3に「その他のルールは通常のルールに則る。」とありカードの効果はルールに勝つというTCGの不文律がある。今回はそのルールを遵守しこのような構築になったことをご容赦いただきたい。)

 銀枠環境は主要デッキ3種がせめぎあっている状態で非常に面白い環境となっている。機会があれば是非プレイしてもらいたい。そしてこれが恐らく正真正銘最後のデッキ紹介だ。最後まで読んでくれて本当にありがとう。君たちのtype0参入を心待ちしている。それでは良きtype0ライフを!!!!!

ヴァイスtype0メタゲーム考察その2

 今回も前回同様世界に誇る最高峰トレーディングカードヴァイスシュヴァルツの特殊フォーマットであるtype0の記事だ。この2ヶ月の間にどれだけ考察が進み、メタゲームが変化したかを見ていこう。

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前回の記事でも述べたように剣聖ラインハルトを軸とした【ラインハルトコントロール】はtype0における圧倒的なTeir1だ。今回の記事はこのラインハルトをどう打ち倒すかに焦点を当てている。では改めてラインハルトの強みを見ていこう。
 
パワー20000と相打ち不可能力
 
単純明解なパワーライン。戦闘で負けることはほぼ無いため場に置いておくリスクが無い。type0に他に採用されうるカードとして七海があるがCXコンボを成功させてもパワー16000までしか届かない。
 
移動能力
 
 仮に何らかの手段でパワー20000を超えれたとしても移動能力によって逃げられる可能性がある。単純なパワーで越えるためには3面パワー20000を要求され、CX以外のカードを極力減らしたいフォーマットでそれをしようとするのはあまりにも無謀である。
 またこの移動能力はラインハルトミラーにおいても重要であり、ラインハルトを差し出すか否かを先出したプレイヤーが決められるのである。(例:1000+1を打たれたら逃げる。無ければ相打ちで差し出す。)ラインハルトがラインハルトの解答になる理由はミルの先撃ちした際にターンの開始時にみくるとセイバーが場に戻ってしまい先撃ち側のラインハルトが条件を満たせなくなってしまうからである。ラインハルトコントロールは単騎ラインハルトに対しては解答はなく、ゲームが膠着するものだと考えていい。
 
思い出送りと大活躍
 
 恐らくこの2つの能力がtype0において最も重要な能力だろう。このフォーマットの勝敗は相手のキーパーツをいかにして思い出に送るかによって決まる。この能力によって前列にキャラを置いたままターンを終えることは非常にリスキーなプレイとなる。前列として使用するキャラは全てみくるのバックアップを要求されプレイと構築を狭めざるを得ないのである。
 また大活躍能力が思い出送り能力をより強力なものにしている。基本的に思い出に送らなければあらゆるアタック誘発を発動できない。またストックすら貯めさせないため圧倒的な盤面支配力を有する。自ターンで相手の前列を除去するだけでなく相手ターンに蓋をするのはラインハルトだけの特権であり、ラインハルトの解答がラインハルトとなる理由にもなっている。
 
 カウンター不可能力
 
 前列に残った(みくるで逃げ損ねた)キャラを古典的な罠や紫炎と緑炎をケアすることなく潰す能力。またラインハルトミラーでカウンターをケアする必要が無いのは魅力だ。(前述の移動能力により選択権は相手にあるのだが)また今後刷られる可能性も含めてあらゆるカウンターを環境から駆逐している。
 
 
 「相手のカードに選ばれない」という最上級の除去耐性。なぎさを含むtype0環境のあらゆる単体除去カードが当たらない。またこの能力の恐ろしい点は相手のカードの対象にならないだけでなく、発生源が「相手のカード」ならばラインハルト側のプレイヤーが選ぶことになっても選ばれない点にある。
  ※前回の記事で「紫炎と緑炎」がラインハルトの対策になると述べたがそれは全くの誤りだ。これからtype0を始めようとしてくれた初心者諸君、常日頃からtype0をプレイしてくれている現役プレイヤーに誤った情報を与えてしまったことを深く謝罪したい。
 
すべての発動条件となる経験能力
 
 本来デメリットとなるはずの経験能力だがことtype0においてはメリットになりうる。ラインハルトミラーにおいてミルの先撃ちが悪手となるのが定石だ。しかしラインハルトを使うプレイヤーは必ずレベル置場にレベル3(基本的にラインハルト)を置かなければならない。つまりレベル1になった瞬間にラインハルトを採用してるかしてないかがお互いにわかってしまうのである。これが何を意味するかと言うとラインハルトミラーでないとわかればラインハルト側はアグロプランに移行することが悪手とならないのである。
 ※前回の記事で【ハンデスミル】はラインハルトコントロールに見せかけてプレイすると述べたが以上の理由からラインハルトを採用しない限り不可能である。ハンデスイベント4枚に加えレベル置場に置くためだけのラインハルト2枚を採用することは重すぎるという評価を下さざるを得ない。「紫炎と緑炎」もラインハルトには効かず、ハンデスもアグロプランに切り替えられると通用しないため【ハンデスミル】は人知れずメタゲームから去ったと言ってもいいだろう。
 
  
 
 さてデッキリストの解説に移る前にtype0プレイヤーに衝撃を与えたカードを紹介しなければならない。そう扉の「約束された勝利の剣(エクスカリバーモルガン)だ。このカード登場により既存の構築は大きく変わり、より完成度の高いものとなった。この扉の強みを一つずつ見ていこう。

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ストブから扉へ

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手札コストの確保

 従来の構築であればセイバーとみくるでミルを実行した際に、ストブと2パンでストック+3、セイバーとみくるのコストでストック-3。一方手札は撃ったCXとセイバーのコストで-2。つまり毎ターンミルを行えば手札は減ることとなり、クロックドローの必要が生じてしまうのである。これを扉にすることによって手札にキャラクターさえ確保していればセイバーのコストで切ったキャラを2パンの内のどちらかで扉をトリガーして回収できる。
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  ストック3と手札1枚のコスト
 
ストックの確保
 ストブから扉に切り替えた際の弊害としてストックが貯まらないという問題がある。ストブの分のストックがそのまま減るのでセイバーとみくるの2パンだけではストックが減り続けてしまう。この問題を解決するために3パン目のキャラが必要となる。そこで白羽の矢が立ったのが「書き初め 高海千歌」である。CXの多いこのフォーマットであればほぼ確実にダメージがキャンセルされ、ストックに飛ぶことができる。また上の能力によりCXをデッキトップに固定できるため万が一効果が発動できないということもない。1パン目の千歌のアタックと能力でストックを2枚増やすことができる。そしてストックの1枚目の千歌をセイバーのコストで掃き、扉で回収すれば次のターンも同じ行動がとれる。この動きは手札も消費せずストックも1ずつ貯まるためストブの時に比べて遥かにミル性能が向上したといえるだろう。

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 千歌と扉の採用によって得られるメリットはストック増加だけではない。千歌は自分で死にに行けるキャラでありラインハルトの発動条件を阻害しない。またミルの返しにラインハルトを出された際の解答にもなる。ターンの開始時に戻ってきたみくるとセイバーを圧殺して千歌とラインハルトを展開し扉を撃ちながら2パンすれば2枚の扉トリガーで控えに落ちたみくるとセイバーを安全な手札へと回収できる。また扉の手撃ちはストブと異なりパワーが上がるため相手のラインハルトは移動を使わざるを得ずラインハルトが相打ちになる心配もない。これはラインハルトミラーにおけるミルの先撃ち不利の定石が完全に崩れ去った瞬間であり、アグロプランが肯定された瞬間でもある。扉の「約束された勝利の剣」の誕生はtype0の歴史において重大な出来事だといえるだろう。
 
回復キャラの採用
  type0においてダメージを受ける瞬間が一つだけ存在する。それがリフレッシュの際に発生するリフレッシュダメージだ。これはtype0始まりのデッキである【CX6000】が乗り越えれなかった問題であり、type0最大の関門ともいえる。これはTeir1である【ラインハルトコントロール】においても同様で回復とラインハルトの両立は課題の一つであった。回復キャラを展開してしまえばラインハルトの条件を満たすことができないためである。この問題も扉が解決してくれた。「大切な何か 美砂」は回復持ちのキャラであり、チェンジを空撃ちすることで自ら控え室に行くことができる。それをラインハルトのアタックで扉をトリガーすることでラインハルトのパワーを維持しながら手札に回復ソースをキープできる。

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七海のシナジー後のリカバリ
  「夏の思い出 七海」はミルを全面的に否定するtype0を代表する強力なカードだ。しかしラインハルトを突破できないこと、戻す先が控え室であるため再びミルの対象になってしまうことが欠点だった。しかし扉の登場により七海で思い出の七海を控え室に戻し扉で回収することで2枚でループすることが可能となる。

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 以上のように扉の参戦はtype0の環境を大きく変えるものとなった。これにより環境における【ラインハルトコントロール】の強さは確固たるもののとなり、またしても環境はラインハルトに支配されてしまった。(アグロプランの肯定によりハンデスミルが環境から姿を消していることも大きい)しかしヴァイスの歴史は長くカードプールは広い。当然ラインハルトへの解答は既に存在しているのである。
 
汎用性の塊 「具象化しりとり」
 

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 まず紹介するカードはこの「具象化しりとり」だ。これは対象をとらない全除去カードの中でもコスト3と破格の軽さを誇る。3宣言することで選ばれないラインハルトも控え室に送りセイバーのミルの対象に加えることができる。またこのカードの特殊かつ強力な点は記憶によって発動する点にある。扉で回収できないイベントは常にミルの対象になりうるのだがこの具象化しりとりは自己の能力でそれを解決している。また除去以外にもリアニ目的で使える汎用性の高さもこのカードの魅力だ。コストはかかるものの電源のような使い方もできる。相手にも利用されるためラインハルトの早出しには向かないが七海やセイバーのリアニからそのターンにシナジーを発動できるのは電源にはない強みである。
 一見環境を変えるに十分なパワーカードに見えるが当然欠点はある。それは除去先が控え室であるため相手にアンコール③されてしまう点である。千歌によってコスト問題が解決しているため3コスト貯めることは容易で相手は当然このカードをケアしてくるだろう。よって具象化しりとり以外にもう一枚カードを要求することとなる。
 

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それがこのしろはである。CXの多いこのフォーマットであれば確実にアンコール封じの効果を成功させることができるだろう。またしろは自体はキャラのため扉によっての回収が可能だ。扉の登場はラインハルトを強化するだけでなくそのメタカードの強化にも繋がっている。
 またもう一つの欠点は相手のみならず自分も巻き込むためラインハルトミラーでは使えない点である。アンコール封じは相手のみのため自分はアンコールで盤面を維持できるものの相手ターンにも発動するのでアンコールに合計6コスト、具象化しりとりの使用に3コストと非常に重いコストを強いられる。具象化しりとりはラインハルトを使わないデッキでこそ輝くカードであり、差別化が図られた瞬間ともいえる。
 
Deck.10【ノーラインハルト】
 

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ラインハルトへの最高のメタカード 「くらやみ」

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  一見複雑なテキストをしているが要約すると「このカードは相手の効果に選ばれない。」効果を持つキャラだけを思い出送りにするカード、即ちラインハルトだけを除去するカードである。ラインハルトを除去することだけを目的とするならば最良のカードであり、type0を見越したブシロードの救済措置と捉えることもできるだろう。
 具象化しりとりとの相違点として1コストとういう軽さ、レベル3のため電源早出しに対応しない点、控え室を経由せず直接思い出に除去できる点、ラインハルト以外のキャラを除去できない点、相手のラインハルトのみを除去できる点など枚挙に暇がない。一つだけいえることは具象化しりとりが非ラインハルトの向けのカードであったのに対しこのくらやみはラインハルトミラー用のカードだということである。ラインハルトを使用する側にとって対処したいカードは相手のラインハルトのみであるから除去範囲は問題にならず、ラインハルトを維持しながら相手だけを処理できるのは大きすぎるメリットだ。またミルの対象になってしまう欠点もリフレッシュ直前に撃てば問題にならない。そもそもラインハルトミラーにおいては移動能力によってゲームが膠着するのが常であるため好きなタイミングでくらやみを放つことは想像以上に容易である。
 ラインハルト環境を終わらせるかと目されたくらやみであったがまたしてもラインハルトに取り込まれる皮肉な結果となってしまった。
 
Deck.11【ダークネスラインハルトコントロール
 

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総括

 扉の「約束された勝利の剣」の登場によってtype0のメタゲームはめまぐるしいほど変化した。新しいカードの登場はあらゆるフォーマットに影響を及ぼす分かりやすい実例でありTCGの醍醐味ともいえるだろう。【ノーラインハルト】という新しいデッキが生まれた一方で【ラインハルトコントロール】は未だに健在とラインハルト中心にメタゲームが進んでいることに変化はない。次の記事ではラインハルト環境が終わっていることを切に願う。それではよきtype0ライフを!!!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

 


 さてこの記事を最後まで読んでくれた諸君には銀枠(ジョークエキスパンション)込みのtype0環境の解説をしなければならないだろう。まず前回の記事で書いたとおりこの環境のTeir1は【エクゾディアジブリール】である。

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 デッキ枚数18枚と全力まで枚数を削り先攻ワンキルに特化したコンボデッキだ。この環境を変えるためにはより高い確率で先攻ワンキルできるデッキを成立させる必要がある。
 
Deck.EX2【エムラシュート】

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 前回の記事でも少し触れたがこの特殊なイベント「やくそくされたウィークエンド、シャロもくる?」を先攻1ターン目に使用することを目的としたデッキである。(ヴァイスシュヴァルツを基にしたTCGであるMagic The Gatheringに約束された終末、エムラクールというカードがあり唱えた際にこのカードと同じ能力が誘発する。)銀枠環境では有力なデッキの一つであったが新弾の強化があったためここで紹介したい。新弾の強化は言うまでもなく角川スニーカー文庫富士見ファンタジア文庫の特徴を3つ持つキャラ達である。
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控え室を肥やせる特徴3つ持ちのキャラ

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 デッキ内容はシンプルであり手札交換や2枚落下を駆使して控え室に特徴を13種と千鳥、クロックに赤、手札に電源とエムラを揃えることだ。

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 この千鳥を前列に置いて相手のターンのコントロールを得るとどうなるか。レベル0を正面にプレイ→圧殺してもう1枚プレイ→2枚目を圧殺して1枚目をクロックアンコール→2枚目をクロックアンコールと山札が切れるまでこの手順を繰り返し相手を強制的にレベルアップさせてしまう強力なコンボが完成する。通常のデッキ相手であればこれだけでゲームに勝てるだろう。type0環境だと初手にプレイアブルなカードが2枚存在していないことが常であるので相手のマリガンを見て撃つタイミングを見極めたい。またTeir1である【エクゾディアジブリール】に対しては山札の枚数が少ないため確殺は不可能のためジブリールをレベル置き場に固定することを目標とする。
 下準備こそ必要なものの手札に必要なカードは2枚と4枚要求するジブリールに比べ遥かに容易だ。1ターン目に勝つ可能性を秘めながらコンボ一辺倒だけでない汎用性の高さが魅力だ。銀枠環境のTeir1デッキとして環境に居座り続けることとなるだろう。
 それでは今度こそお別れだ。次の記事でお会いしよう。

ヴァイスtype0メタゲーム考察

 全世界のヴァイス人口は70億人を超え、世界中の酸素がヴァイスシュヴァルツになる日も近い。今回の記事は世界最高のトレーディングカードヴァイスシュヴァルツだ。読者のヴァイス打ち諸君はこんな経験はないだろうか。「このデッキトップがCXなら勝っていたのに」「手札のCXが殴られるキャラクターなら勝っていたのに」「CXが10枚積めればなあ」と。そしてある疑問に辿り着く。

 

 「CXが上限なくデッキに入れることができたら何枚入れるのが一番強いのか?」

 

 「一切の構築ルールを取っ払ったなら最強のデッキは何か?」

 

 今回の記事はヴァイスにおける最強のデッキを決めるフォーマット、ヴァイスtype0についてサンプルデッキを紹介しながらメタゲームの考察をしていく。ルールは以下のとおりだ。

 

1.ヴァイスシュヴァルツのカードであればタイトル問わずすべて使用可能。

 

2.全ての枚数制限(CXの枚数、同名カードの枚数、デッキの枚数)を無視する。

 

3.その他のルールは通常のルールに則る。

 

Deck.1 【CX6000】

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 ヴァイスtype0を語る上で最も重要なデッキがこの【CX6000】だ。デッキコンセプトとしてはダメージを受けないこと、負けないことだ。これ以上にtype0にふさわしいデッキはあるまい。相手のアタックは全てキャンセルし、相手のリフレッシュダメージを積み重ねて勝利する。第一に負けないこと、これがtype0の一つの指針となった。他のTCGでは先攻でエクゾディアを揃えて特殊勝利すること、手札をダメージの入るカードだけにして相手のライフを0にすることといったように「勝つこと」を考えるのに対しヴァイスは「負けないこと」に重きを置く。実に深いトレーディングカードと感じた瞬間であり、考察しがいのあると感じた瞬間である。

 

Deck.2 【1ヒール】

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  一躍type0のトップメタに躍り出た【CX6000】であったがその天下は一夜にして崩壊する。この構築には重大過ぎる欠点があったのだ。相手の自滅狙いの構築上ダメージクロックが一切入っていないので相手が恒久的な回復ソースを持っていれば勝つことができないのである。逆に【CX6000】側は回復ソースを持たないので6000枚の山札が28周したら自滅してしまうのである。(6000×28=168000ターン、1ターン1秒としたら46時間40分後には負けてしまう。)またこういった【1ヒール】のような尖がった構築でなくても普通のフェアデッキに回復ギミックとそれを回収するギミックを組み込めば同じ状況を生み出せるため最強どころか最弱のデッキということを露呈する結果となった。

 

Deck.3 【除去コントロール

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 通常ダメージが入らないフォーマットであるtype0でリフレッシュダメージとそれを回復するカードによってメタが定義されている。これに異論を唱える者はいないはずだ。ならば回復ソースを潰してしまえばいい。極めて自然な発想だ。後列を含む除去カードでレベル範囲の最も広いのがこのなぎさだ。レベル3という重さ、CXコンボという条件の悪さもこのフォーマットであれば関係ない。お互いにダメージを受けない以上回復ソースを断ち切ることさえ叶えばリフレッシュダメージを28回叩き込み勝利することができるのだから。

 

Deck.4【みくるループ】

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  除去コントロールがトップメタとなり、除去カードの採用枚数が勝率に直結するフォーマットになってしまったtype0。またもや泥沼に突入してしまったかに思えたメタゲームであるがヴァイスの歴史は長くカードプールは広い。当然それに対抗するカードは存在しているのだ。相手ターン中最も安全な領域である思い出置場に逃げられるみくるだ。そして重いコストを要求する彼女のパートナーに選ばれたのは攻撃するだけで回復をもたらすあずさ。デッキ内のCXの比率が高くなってしまうこのフォーマットに非常にマッチしたカードといえる。また能動的に殴りに行くことができることからCX純度の低いフェアデッキに、回復ソースにより【CX6000】のようなアンフェアデッキにも有利と非常に完成度の高いデッキといえる。

 

Deck.5 【エクスカリバーミル】

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 【みくるループ】の完成によりメタゲームは終焉を迎えたかに見えた。しかしいかに自分のライフとキャラクターを守ることに長けたデッキといえど守りきれないものがある。それが控え室であり山札だ。この控え室=山札を思い出置場へと飛ばし削る「ミル」という行動はメタゲーム上に存在する全てのデッキに効果的だ。あとは【除去コントロール】に負けないようにみくるのギミックを、【CX6000】に負けないように回復ソースを忘れずに入れるだけだ。(みくるでセイバーしか守ることができないが、回復が必要なマッチは【CX6000】だけなので問題ない。)

 このデッキはtype0史上初めて勝ちに行くことを目標としたアーキタイプであり、初のアグロデッキといえる。この【ミル】というアーキタイプの成立以降、type0ではアグロ対コントロールという構図が続くことになる。type0を語る上で欠かすことができないデッキなのである。

 

※ルール改定についての謝罪

 【エクスカリバーミル】の成立をもってtype0総合ルールに以下の項目を追加する。

 

4.デッキの枚数の上限は50枚とする。

 

 このルールの追加の背景としてミルのミラーになった際、デッキ枚数が多い方が圧倒的

 に有利になってしまうことが問題点として挙げられた。【CX6000】という単純なデッキと異なり、攻撃手段、勝ち手段を持った6000枚のデッキを50枚のデッキでライブラリーアウトさせるのは困難だ。6000枚のデッキに対抗するには10000枚のデッキ、それに対抗して100000枚と勝敗をデッキ枚数に委ねることになりかねない。type0というフォーマットをデッキ枚数を用意できる資産を持っている者が勝つゲームにしないため、プレイングと構築でのみ勝敗が決まるゲームにするために本ルールを追加されて頂いた。デッキ枚数が不利に働くような事例を見つけられなかった自分を恥じるとともに【CX6000】の愛好家の方々には重ね重ね謝罪を申し上げたい。しかしこのルールの追加で50枚の中に何枚CX以外のカードを採用するか、どこまでダメージを許容して勝てる範囲を増やすかがプレイヤーの力量次第となったことでtype0の競技性は格段に上がったという見方もできる。

 

Deck.6 【ラインハルトコントロール

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 type0といえどネオスタンダードと同じ一つのフォーマット、新しいカードの登場によって環境は容易に変化する。キャラクターのリソースの少ないこのフォーマットにおいて思い出への除去の択を迫るラインハルトの能力は実質的にアタックを封じる能力と同義だ。現在のカードプールではアタックなしにミルを行えるカードは存在せず膠着状態に持ち込むことができる。あとは相手のミルを後列に閉じ込めたまま一方的にミルを行えばいい。ラインハルトの登場は今まで先手有利だったミル環境に一石を投じるものだった。ミラーを含めミルの先出しはレベル3までの過程でラインハルトを思い出に飛ばさない限りミルパーツを必ず失うことになり悪手となりうる。

 現状ラインハルトを処理する方法として一番有効なのはラインハルト自体をぶつけることである。ミルパーツを犠牲にしてラインハルトを中央に立てれば今度は後手側がラインハルトを失うかミルパーツを失うかの択に迫られる。これがラインハルトとミルパーツの採用枚数分だけ繰り返される。つまりラインハルトとミルパーツをどれだけ採用するかが勝利の鍵でありプレイヤーの技量が問われる環境といえるだろう。

 

Deck.7【スタンバイミル】

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 【ラインハルトコントロール】の完成度は非常に高く、ラインハルトを採用しないアグロデッキの成立は難航した。【スタンバイミル】はその名の通りスタンバイアイコンを利用したオールインアグロである。レベル1からの早出しに特化し除去されないレベル帯から2面ミルを行う環境最速デッキだ。常に控え室に睨みをきかせることから相手はスタンバイの恩恵を受けることができず、一方的なテンポ差を押し付ける。レベル3に上がる前に勝敗を決するのがデッキコンセプトだ。

 しかしこのデッキにはある問題点があった。今までのデッキは既存のデッキに対して10:0で有利をつけてメタゲームを変えてきたのに対し、【スタンバイミル】はその条件を満たしていなかった。既存の環境トップの【ラインハルトコントロール】に対して考案されたデッキでありながら手札にラインハルトをキープされると【エクスカリバーミル】と同様詰みの状態に持っていかれる。またスタンバイによるテンポ面でも1-6でラインハルトをクロックドローされるとミルするタイミングを与えずにスタンバイで早出しが可能となるため一方的に享受できるとも言い難い。この構築ではラインハルトを環境から駆逐することは叶わなかったのである。

 

Deck.8 【ハンデスミル】

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 メタゲームを変えるには【ラインハルトコントロール】を打ち倒す必要がある。そのヒントは意外にも直前のデッキに隠されていた。前の項目でラインハルトを手札からキープされると負けると書いた。ではそれをされなければ勝てるのではないか。そこで白羽の矢が立ったのがハンデスギミックだ。ディスペルマジックは集中の条件を満たす必要があるものの1:2交換がとれる強力なハンデスカードだ。CX密度が極端に濃いこのフォーマットであればスケルトバイスであり、hymn to  tourachだ。

(恐らく最も有名なハンデスカードは神木だろうがハンデスコンボに要するコンボパーツの多さがネックとなりお蔵入りとなった。)

デッキの基本戦術はコントロールのように振る舞い、レベル2までにディスペルマジックを4枚とミルパーツを揃えるように立ち回る。幸い【ラインハルトコントロール】環境では先出しミルは悪手とされているためパーツを揃える過程でデッキバレのリスクは少ない。そしてレベル2帯の相手のリフレッシュ後のタイミングにディスペルマジックを4連打し相手の手札を全て叩き落す。あとは落ちたラインハルトを1枚ずつミルしていけば任務完了だ。またラインハルトの先出しに対して有効なのが紫炎と緑炎だ。このカードは唯一といってもいいラインハルトを処理できるカードでハンデスとミルと組み合わせて場に出たラインハルトを完全に除去できる。このカードの採用により先出しミルでラインハルトで蓋をされた場合でもミルを続行できる。またこれのおかげでハンデスパーツさえ揃えばいつでもミルを仕掛けに行けるフレキシブルさもこのデッキの魅力だ。

 しかしこのデッキにも欠点はある。それは5枚のイベントにデッキが圧迫されているため単純なミル勝負では劣ってしまう点だ。特に【スタンバイミル】のような先出しミルを行うオールインアグロを苦手としている。【スタンバイミル】は【ラインハルトコントロール】を倒すために考案されながら本命よりも本命に強いデッキを倒してしまうなんとも皮肉な結果となってしまった。

 

Deck.9 【七海コントロール

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エクスカリバーミル】の成立以降type0のメタゲームはミルを中心に動いていた。アグロ、コントロール、コンボに至るまで環境に存在する全てのデッキで採用されている。ミルの撃ち合いを帳消しにする七海の登場はtype0をさらなるステージへ昇華させるものと期待されていた。使用後思い出に飛んでしまうイベントや除去をケアしない展開など新しい構築、プレイングが生まれると目されていた。

 しかし既存のデッキの完成度の高さがこれを阻む。まず【ラインハルトコントロール】とのマッチアップを考えてみよう。中央にラインハルト、思い出にみくるとセイバーのミルセットというソフトロック状態の時、七海のCXコンボを発動させたとしても七海自身はラインハルトによって思い出送りにされ、せっかく控え室に戻したカード達も次のターンにはミルの的になってしまう。アタックフェイズというラインハルトから逃げられないタイミング、戻す先がもう一度ミルの対象となる控え室という欠点を曝け出す結果となってしまった。やはりラインハルト相手にはラインハルトをぶつけるしかなく、七海はラインハルトとミルパーツをぶつけあった後のリカバリー手段としての立ち位置がふさわしい。また【ハンデスミル】とのマッチアップにおいても一度ダメージレースを帳消しにするためにCXコンボを発動させた返しに紫炎と緑炎とディスペルマジックのコンボで控え室に落ちてしまう。

 結論として七海は環境を一変させるほどのパワーはなくコントロールの保険用のカードという立ち位置で落ち着いた。しかしカードプールにこれが存在しているのとしていないのとでは天と地ほど違う。ケアを怠れば一瞬でダメージレースがひっくり返るよりスリリングなフォーマットになったといえるだろう。

 

総括

 

これでヴァイスtype0メタゲームの役者は揃った。環境最速のオールインアグロである【スタンバイミル】、圧倒的な盤面支配力とダメージレースの挽回能力を有する【ラインハルトコントロール】、パーツが揃えば必殺のコンボになりうる【ハンデスミル】 。コントロールはアグロに強く、コンボはコントロールに強く、アグロはコンボに強い。奇しくも三竦みの結果となってしまったがこれをメタゲームの妙と言わずして何と言えるだろう。

 今回の記事ではあくまでデッキの雛形だけでデッキリストは記載していない。これを読んだ人に考察して最適解を探して欲しい。type0のメタゲームを切り開くのは他でもない君だ!来たるWGPのサイドイベントで会えることを期待している。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さてここまで読んでいる君たちは相当のヴァイス好きかクレイジーかどちらかだろう。最後に本当のtype0を紹介する。この記事でtype0のルールに以下のことを規定した。

 

1.ヴァイスシュヴァルツのカードであればタイトル問わずすべて使用可能。

 
このヴァイスシュヴァルツのカードというのは公式大会で使用できないカードも当然使用可能に含まれている。
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これらのカードは専用デッキを組めばtype0の既存のデッキを容易に打ち倒すことができるカードパワーを持っている。しかし今回紹介するカードはそれ以上だ。
 
Deck.EX 【エクゾディアジブリール

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 ヨコハマいちの名探偵は非常に重いコストを有しているもののキャンセル不可という唯一無二の能力を持ったカードだ。自身がCXである点やトップがCXである条件はまさしくtype0のためだけに生まれてきたカードといえるだろう。このデッキのコンセプトは先攻1ターン目にソウル+50されたジブリールで不可避の一撃を叩き込むというものだ。先攻ワンキルの手順はいたってシンプルで

緑のキャラである茜を展開→レベルアップ発動、赤発生→茜の能力起動、青発生→ジブリール展開→踊ってリーサル

とコンボパーツも少なく非常に安定している。今のカードプールでこれに対抗する術はなくtype0環境の現状はじゃんけんゲーと化している。このように使用不可カードまで認めてしまうと競技性を著しく損ねてしまうことから番外編という扱いにさせてもらった。読者の力でこの荒廃したメタゲームを改善してくれることを願っている。

 

 それじゃ今度こそお別れだ。よきtype0ライフを!

【SMS2最高レート2111】運ゲ軸フリージオサイクル

はじめまして、ホーエンというTNでポケモンやってます。レート2000を達成したのでブログはじめました。(恐らく単発です)普段のレートは1600~1700程度の糞マイナー厨なのですが今シーズンは運よく勝てたので記事にしました。

 

パーティ紹介

 フリージオ

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種族値H80A50B50C95D135S105

努力値H252 S252 C4

性格 臆病

実数値H187A×B70C116D155S172

特性 浮遊

技 フリーズドライ 絶対零度 光の壁 自己再生

持ち物 コオリZ

 

役割対象:カプ・レヒレ クレセリア スイクン ポリゴン2 ラッキー グライオン カバルドン フシギバナ サザンドラ ペリッパー オニゴーリ etc

 

 選出率3位の特殊受け兼耐久殺し。上からの光の壁で等倍の特殊アタッカーのほぼ全てをシャットアウトします。また上からの絶対零度で負け確から勝ち確に持っていくまくり能力もあります。

 立ち回りとしてはとにかくHPを維持することを最優先します。役割対象に後出しした場合は流し際には自己再生から入って次のサイクルに参加できるように立ち回ります。相手が居座った場合は上から壁→自己再生と動けるのでさらに有利になります。零度ぶっぱはダメ絶対(たまにやります

 持ち物のコオリZはレート1800あたりから採用したのですが絶対零度を威力180の氷技として撃つことができる素敵アイテムです。Dに振ってないカバルドン(HB255~303 HD174~207)やステロで削れたメガリザードンY(無振り88~105)、フリドラで削れたエアームド(HB 132~156)に打点が持て好感触でした。特にエアームドに打点を持てるのは大きく1匹で受けループを崩すことが可能になりました。

 

 ウツロイド

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種族値H109A47B47C127D137S103

努力値H252 S252 C4

性格 臆病

実数値H216A×B67C148D157S170

特性 ビーストブースト

技 ヘドロ爆弾 パワージェム 光の壁 ステルスロック

持ち物 イアの実

 

役割対象:ウルガモス リザードン ヒードラン ボルトロス(霊獣) カプ・コケコ カプ・レヒレ ゲッコウガ ポリゴンZ etc

 

 選出率4位。UBに生まれ変わったフリージオ(大嘘)。フリージオ同様上からの壁で特殊アタッカーを受けに行きます。パーティ単位で苦手なメガリザードンウルガモスを後出しからステロを撒く余裕を持ちながら確実に狩ることができます。

 持ち物のイアの実は再生回復を持たないウツロイドのタイマン性能を上げる優秀なアイテムで光の壁とも相性が良いです。具体的に言えばデンキZボルトロスに後出しした場合(135~160最高乱数以外イアの実圏外)、次の10万ボルト(70~86)で落とせるため居座る場合が多くあります。この時に光の壁があるとギリギリ耐えからのイアの実での回復で一気に即死圏内から逃れ逆に縛ることができます。

 

 バルジーナ

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種族値H110A65B105C55D95S80

努力値H252B164D44S44 

性格 腕白

実数値H217A×B160C×D121S106

特性 防塵

技 イカサマ どくどく 挑発 羽休め

持ち物 ゴツゴツメット

 

役割対象:ギルガルド ハッサム ランドロス ガブリアス カミツルギ クレセリア ガルーラ キノガッサ カバルドン ドリュウズ メタグロス ゲンガーetc

 

選出率5位。ゴツメ枠の物理受け。耐久ポケモンを毒と挑発で嵌めたりもできます。特にハッサムギルガルドに削りを入れてドリュウズの圏内に入れる非常に重要なポケモンです。

 

ヤドラン

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種族値H95A75B110→180C100→130D80S30

努力値H252B100C52D100S4

実数値H202A×B157→234C127→157D113S51

特性 再生力→シェルアーマー

技 熱湯 大文字 冷凍ビーム 怠ける

持ち物 ヤドランナイト

 

役割対象:ガブリアス ランドロス(霊獣)バシャーモ マンムー パルシェン ルカリオ ナットレイ カイリュー ボーマンダ ドリュウズ メタグロス etc

 

 選出率2位のパーティの守護神。1体でバンドリマンダの2体を受けきれる物理耐久は凄まじく、多くの物理アタッカーを詰ませに行きます。先発のステロ撒き(マンムーランドロスガブリアス)に相性が良く先発率が最も高いポケモンでもあります。また貴重な炎技持ちで唯一ナットレイの処理が可能なポケモンです。(それ以外はバルジーナの挑発でゴツメダメージを稼ぐ試行回数1回目の一撃必殺を当てる)

 

 ドリュウズ

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種族値H110A135B60C50D65S88

努力値A252 S252 D4

性格 意地っ張り

実数値H185A205B80C×D86S140

特性 型破り

技 地震 アイアンヘッド 岩雪崩 つのドリル

持ち物 こだわりスカーフ

 

役割対象:ミミッキュ カプ・テテフ カプ・コケコ ジバコイル ギルガルド ゲンガー バンギラス ウツロイド ヒードラン ロトムetc

 

選出率1位の圧倒的エース。サイクルを回していかにこいつの一貫を作るかがこのパーティの肝。また自身もつのドリルというサイクルを崩す神技を覚えるので運ゲ軸の遂行も可能です。ギルガルドバンギラスなど確定数が変わるわけではないのでようきスカーフでもよかったのですがステロなど削りが入ったときの決定力を考えて意地っ張りでの採用です。

 

カプ・コケコ

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種族値H70A115B85C95D75S130

努力値C252 S252 H4

性格 臆病

実数値H146A×B105C147D95S200

特性 エレキメイカー

技 10まんボルト ボルトチェンジ マジカルシャイン 挑発

持ち物 命の珠

 

役割対象:ゲッコウガ テッカグヤ ギャラドス イーブイ

 

 選出率ダントツドベの6位。正直選出した試合はほぼ勝てなかったレベルの弱さ。苦手なテッカグヤに唯一対抗できるがヘビボン2発受からないのに加えチョッキで耐えられる可能性もあるため安定した回答にはならなかった。持ち物は少しでもマジシャの威力を上げたかったので珠。

 

 相手によって選出を変えるため基本選出は特に無いです。サイクルを回すため物理受け1枚、特殊受け1枚、エース1枚の選出が多くヤドラン、フリージオドリュウズの3体が一番多い選出でした。

 

キツイポケモンたち

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(処理ルート)ないです

 

 

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最終レートの戦績と順位です。500戦以上とかいう酷い対戦数ですがなんとか2100超えるころができました。今世代はZ技の登場で受けまわすサイクルパは使いにくいという評価でしたがマンダやガルーラの弱体化などもあり意外と戦えることができました。そして何より運がよかった。この一言に尽きます。

 

次の更新はなさそうやなあ・・